運命の輪

 

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運命の輪とは

タロット10番目のカードは運命の輪です。
天に浮かぶ輪が、メインに描かれています。
この円の周りには「輪」を表すラテン語ROTA、その四文字の間にそれぞれ神の名を示すヘブライ文字が配置されています。ここには神の意志が働いていおり、何人も抗えない不可侵的力を感じさせられます。
四方には羽の生えた聖獣である鷲、牛、獅子、人間が配されています。それぞれ経典を読んでいてなんだかまだ修行中のようですね。またこの四聖獣は占星学において蠍座、牡牛座、獅子座、水瓶座で表わされる生物で、この四星座は全て安定感のある不動宮に属し、それぞれが風、地、火、水と四大元素を司っています。
これら四大元素の関わりによってこの運命の輪は回転しているようです。
 
この輪を背負い上昇するように描かれているのはエジプト神話における武神であり肉親殺しの経緯から悪神とされるセト、輪の横を下を向いて這うのは恋人の項でも触れましたが、人を惑わす存在の蛇。
世界の流れはたえず相生相剋、己の意思とは関係なく4大元素の作り出す流れにより、時として蛇や悪神が力を持ち個人にとって好ましくない大きな流れに巻き込まれていくこともあるでしょう。
どんなものもこの世に生を受けた以上その人生において上昇、下降をくるくる繰り返して行きます。そんな運命の輪をただ流転するだけの存在に貶めないために剣を抱いたスフィンクスがこの輪の頂点に座しています。
このスフィンクスは輪の上で回転し上下する者たちを断ち切り、解放できる唯一の剣を持っています。この裁きの象徴である剣がふるわれる時に運命の輪に乗って回り続ける私たちを含めた全てのものの命運が分けられることになるでしょう。これは当事者には何の因果関係もなく、善人悪人分け隔てなく降りかかる、時の流れや環境によってもたらされる変化を示しているのです。
 
正位置では運命の輪が好転している状態です。上昇気流に乗って行く手を阻むものもなくとんとん拍子で進んでいく状態や好機を示します。思いがけない幸運を指すこともあります。
ただ、このカードは自分の力で切り拓いた好機というわけではなく、運命の輪の気まぐれな回転によってもたらされたものです。この好機が当事者にとって望み通りの結果になるかはまた別の話になります。
自分の意図とは関係なくやってくる流れと理解してください。
逆位置ではチャンスが巡ってこなかったり、向かい風が吹いて事態が滞る状態を指します。自分の選択や行動が運勢の流れと一致せず、何かとタイミングや機会が合わないといったことが起こるかもしれません。また、アクシデントの発生を示すこともあるでしょう。
 
正逆関わらずこのカードのポイントとして当事者に今後降りかかる出来事は、その本人起因ではなく偶発的なものであるということ、また当事者の本質的な幸不幸に関わるものではないということです。
このカードの示す現実に直面したときは一喜一憂あったとしても、重要なのはその出来事をよく見定め、その人生の振れ幅とどのように付き合っていくかという事なのではないかと思います。
 

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正位置キーワード
  • チャンス到来
  • 事態が好転する
  • 思いがけない幸運
  • 順風満帆
  • 運命を感じる必然的な流れ
  • 時運に乗る

 

逆位置キーワード
  • アクシデントの発生
  • 好ましくない出来事
  • アンラッキー
  • 停滞
  • タイミングが合わない
  • 時運を逃す
 
※正逆関係なく、時や環境による変化
 

シチュエーション別解釈

 

現在の状況/正位置
  • 良い流れがきている
  • ラッキーなことがある
  • 実力以上の力を発揮できる時
  • 運勢が味方をしている
現在の状況/逆位置
  • 不測の事態によって翻弄される
  • チャンスが巡ってこない
  • 空回りする
  • ツイていない
相手の気持ち/正位置
  • 運命を感じている
  • 不思議と気があう
  • 興味を持っている
  • 良い意味でインパクトのある印象を持っている
  • 何もかもうまくいき調子がいい
相手の気持ち/逆位置
  • タイミングが合わないと感じる
  • なんとなく違和感がある
  • 飽きている
  • 状況的に今ではない
  • 勢いがなく進展しない
  • 手応えを感じられない
結果/正位置
  • 全てが良い結果になる
  • 予想以上の成果を得る
  • 失敗と感じても最終的には成功を収めることができる
  • トントン拍子で進展していく
  • 事態が好転し思わぬ幸運に恵まれる
結果/逆位置
  • 不測の事態によって計画が狂う
  • 思い通りにならない結果
  • きっかけを失って盛り上がりに欠ける
  • タイミングやチャンスが失われる
  • 状勢や流れに翻弄される
アドバイス/正位置
  • 考える前に感じる
  • 流れに乗ってみよう
  • アンテナを張って
  • 機会やチャンスを逃さない
  • 今がその時
アドバイス/逆位置
  • ハプニングに備えて
  • 自分の意志より周囲の流れを優先させて
  • 上手くいかなくても自暴自棄にならないで
  • 運はまた巡ると切り替える
  • 今はベストタイミングではない

 

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瑠璃と琥珀、運命の輪について語る

 
今回は運命の輪です。今まで人物が描かれていたのもガラッと変わり、絵柄からだと初見は読み取りにくいカードかもしれません。
個人的にはこのカードが出ると♪う〜んめいの〜ル〜レットまわして〜という脳内BGMが流れます。
なんというか、このカードの示す事象は私たちの力ではどうすることもできない運命の流れでたまたま自分のルーレットがラッキーorアンラッキーに止まって一喜一憂あってもそれは寄せては返す波の些細な飛沫の一片にすぎないというか…。というても、ラッキーが舞い込んでくるととっても舞い上がりますけどね!!!!
 
瑠璃:
コナーン!!!笑
私は無音の中、「グォングォン…」という重低音を響かせながら、この運命の輪がグルグル回っている、ちょっと不気味なイメージを持っています。「運命」とか言われちゃったら、一個人の意志ではどうにもできない、どうにも抗えない必然的な流れとか運みたいなものを感じちゃいます。
でも、絵的には明るくてポップ(?)だし、琥珀さんがいうように、何が出るかはわからない、因果も論理も何もない、ただの気まぐれルーレットみたいなのが、この運命の輪の世界観なのかもしれませんね。
 
ここに来て、初めて大きくカードのイメージが違いましたね。でもカードの説明にもあったようにこの輪は4大元素の緻密な関わりによって回転していて、突き詰めるとそれは仰るように必然で、それを運命というならば、瑠璃さんのイメージの方がより的確と感じました。
 
瑠璃:
じゃあ両方の世界観を持ってるってことで♪
運命の輪って、↑のカード説明でもありましたが、ただただ流転し時を刻んでいるだけで、時を経ることで自然に起こる必然的な変化をもたらしているだけというのが根本にはあるのかなーと思います。
例えば、芽が出て、葉が茂り、花が咲き、実を結ぶとか、春夏秋冬とか、始まりがあれば、それが勢いよく伸びたり、逆に衰える時がある、そういう万物に共通にする必然の流れや変化みたいなものを運命の輪は司っているのかなーというふうに思います。
それでラッキー(^O^)となるか最悪(´Д`)となるかは、人間の主観とか都合によるもので、運命の輪自体は別に善でも悪でも、はたまた幸運でも不幸でもないのかも…?とかいいながら、正位置で出ると、よっしゃ幸運来たれ!ってなるけどね笑
 
運命の輪は個人に関知しないって感じかな。ただ回り続けていてそれが個人にとってどんなものかは正逆で判断するとしても運命の輪は知ったこったないんですよね。時もたらす変化や、サイクルの始まり終わり、変遷の時告げる存在なのかもしれません。
そんな運命の輪、では逆位置ではどんなイメージをお持ちですか?

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瑠璃:
逆だと、やっぱりタイミングが合わないとか、時運や運勢の流れに逆らっているって感じでしょうか。
これまでの人生を振り返っても、なんかトントン拍子で話が進んだなとか、うまい具合にお互いのタイミングがかみ合ったなみたいなこともあれば、逆に何故か邪魔が入ったり手違いがあったりで進展せずに流れたこととか、ことごとくタイミングが外れたみたいなこともあって、前者のタイミングが合って物事が予想以上のスピードで進展していくときは運勢の流れと自分の動きが一致している正位置で、その逆が逆位置って感じでしょうか。
 
わかりやすい例えですね。運命への逆行している時や流れに乗れていない状態を表している状態ですよね。突然アクシデントが発生するのではなく運命の流れに乗れていないからこそ、自分にとって突然のアクシデントが必然的に起きたと逆説的考えもできそうです。このカードが出て来た時は肩の力を抜いて、自分一人ではどうにもできない時もあると気持ちを切り替えて周囲に助けを求めたりする事をカードからアドバイスされているのかもしれませんね。
さて0番目の愚者が様々な経験をし9番目の隠者の悟りの域まで到達して、一つの区切りとするとこの10番目の運命の輪はまた新たな物語のスタート地点とも取れますね。
暗転、好転どちらに転ぶか分かりませんが、タロット物語としてもこのカードは変化の時を表していると思いますが瑠璃さんはどう感じられますか?
 
瑠璃:
そうですねぇ、タロット物語的に見ると、このカードのイメージは「ワープ」です。ゲームで例えるなら、ただのレベルアップとか次のダンジョンへの進出ではなく、裏面とか裏世界へ行くみたいな、異次元への移動。このカードを境に、以降のカードはより精神的というか、スピリチュアルというか、抽象的ゆえに普遍的な、人間の原始的な本能的な部分とか、あるいは不変の真理である自然とかを扱っていってくような気がします(とか言いながら、もはや自分でも何喋ってるのか若干わかっていない笑)
 
琥珀:ワープ!!確かにテーマの雰囲気も変わって来ます。この10番大アルカナを折り返し地点として今までとはちょっと違う世界へのワープとなりそうです♪
次回も是非おつきあい頂けると嬉しいです!
 
ご覧頂き、ありがとうございました。ご依頼もぜひお待ちしています(╹◡╹)
 
 
 

隠者

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隠者とは

右手に星が輝くカンテラ、左手に長い杖を手にした老人が、足元に視線を落とし立っている様子が描かれています。上から下まで身をすっぽりと隠すグレーの長いローブに、背景もグレーがかった青に雪山を思わせる白い地面、と全体的にとにかく地味で、控えめで、大人しく、静かな雰囲気のカードです。

でもこの人は謙虚なだけで、実は能ある鷹なんですね。生きてきた分の智恵と経験があって、その偉大な智恵がカンテラ、長年積み重ねられた経験が長い杖に表れているとも言われます。そして、その智恵と経験というのは、自分が実際に体験した様々なことから、自分なりに考え辿り着いた、自分なりの真実や哲学なのです。それはとても個人的で主観的なのかもしれませんが、現実に則したリアルさがあるのでしょう。

もう一つ、このカードから強く感じられるのが、孤独性です。ただ、孤独で寂しいとか、悲しいとかそういうのは一切ありません。むしろ、自らの意思でこの誰も何もいないところを選び、誰にも何にも煩わされない一人だけの世界を静かに生きているという感じです。俗世的な欲というのはもう一切ないでしょう。いわば、悟りを開いた、仙人のようにも見えます。

 

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正位置であれば、今まで自分が積み重ねてきた過去の経験や知恵の中に答えがある、真実があるというような意味になります。また、隠者が一人でいるところからは、他者や社会と距離を置き、自分一人で自分自身と向き合うことの大切さというのも感じられます。あるいは、隠者のような、年上とかその道の先導者が良きアドバイザーやガイドとなってくれるのかもしれません。

 

逆位置であれば、過去の経験や知恵に固執するあまり、新しい物事への柔軟性や受容性というのが失われていく面が出てきます。また、自分一人の世界に閉じこもり過ぎて、頑固な偏屈者になってしまい、他者や社会から孤立し、孤独に陥るというような意味にもなってきます。頑なに固執している自分の考えや価値観というのが、実は浅はかで、真実からは程遠い場合もあるのかもしれません。

 

正位置キーワード
  • 智恵・英知
  • 過去の経験
  • 謙虚
  • 孤高
  • 内省
  • 静観
  • 周到さ
  • 賢慮
  • 隠居

 

逆位置キーワード
  • 頑固
  • 偏屈
  • 理屈っぽい
  • 浅はかさ
  • 頭でっかち
  • 狭い視野
  • 消極的
  • 孤立
  • 厭世

 

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シチュエーション別解釈

 

現在の状況/隠者正位置
  • 積極的に動かずに静観する
  • 行動よりも思考のとき
  • 静かに過去を振り返る
  • 周りの人や環境から距離を置く
  • 一人で内省している
  • 自己内省が必要な時

 

現在の状況/隠者逆位置
  • 過去や知識が邪魔をして動けないでいる
  • 未知や未体験なことに対して躊躇している
  • 周囲から孤立し独りよがりになっている
  • 意地を張り過ぎたり頑固になっている
  • 視野が狭くなりすぎて洞察力を欠く
  • 本質的な問題を取り間違えている

 

人の気持ち/隠者正位置
  • 一人でじっくり考えたい
  • 今は動かずに状況を見極めたい
  • 地に足をつけて慎重にゆっくり進めたい
  • 大人しく静かに影を潜めていたい
  • 思いは秘め行動にうつさない

 

人の気持ち/隠者逆位置
  • 誰にも何にも関わりたくない
  • 過去が気になって未来のことは考えられない
  • 新しいことに積極的になれない
  • 他の意見や価値観を受け入れられない
  • 自分のやり方や考えを頑なに押し通したい

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結果/隠者正位置
  • 自分と向き合い内省することで答えが見つかる
  • よきアドバイザーや指導者が助けてくれる
  • 過去に積み重ねてきたものが問題解決の糸口となる
  • 豊富な経験と知識を身につける
  • 時間をかけてゆっくり進めることで確実な結果を得る

 

結果/隠者逆位置
  • 自分の考えや価値観に固執して孤立する
  • 頑固に意地を張り融通がきかない
  • 周りとの協調や関わりを失う
  • これまで信じてきたものや教えが間違いだったと気付く
  • 未来を否定して過去にとらわれる

 

アドバイス/隠者正位置
  • 自分と向き合うことで自ずと真理や答えにたどり着く
  • これまでの経験や知識があなたを支える力となる
  • 目立たなくても地味でも経験に裏打ちされた実力がしっかりと備わっている
  • 誰にも何にも惑わされずに自分の軸をしっかりもって
  • 忙しい日常や社会から離れて落ち着いた静かな環境に身をおいてみて
  • その道の先達者にアドバイスを求めたり頼ってみて
  • 表立たずひっそりと事を運ぶべし
  • 感覚を鋭く必要最低限だけ選びとって

 

アドバイス/隠者逆位置
  • 周りの人や状況を無視した独りよがりになっていないか少し振り返ってみて
  • きちんと自分と向き合わなければ問題は解決できない
  • 他人の意見や考えも受け入れる柔軟さを
  • いつまでも考えているだけじゃ何も進まない
  • もう知っていることだけではなく知らないことにももっと挑戦してみて
  • 過去にばかりすがらず未来と向き合って
  • もう一度事実と客観的に見つめてみて

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瑠璃と琥珀 隠者について語る

 

瑠璃

来ました、隠者ー!地味なおじいさんカードなのですが、なんかこのカードにはちょっと親近感があります。多分、基本社会では控えめで、静かに一人おうちで引きこもっているのが好きな自分となんか重なるものがあるのかな…?笑

まあ私と違って隠者さんは、もっと賢くて、智恵があって、何か物語で出てくるとしたら、困った主人公に重要なヒントとか教えを授けてくれるような人ですけどね。

 

琥珀

瑠璃さんにはあんまり隠者なイメージはないなぁ〜、賢者なところはまさしくですが、控えめかは??笑なんだかんだ人が周りにいて慕われて場合によってはリーダーシップも発揮なさるので、あえてタロットで例えるとカップのクイーンて感じがしますね!

私は隠者はかの遁世者兼好法師のようなイメージです。山にこもって徒然なるままに世の中を観察しているような…。まさに世捨て人!

隠者は求められたらその知見や洞察力を必要最低限発揮するけれど、基本的に自分発信で投げかけることはなさそうで瑠璃さんの仰るように困ったときにヒントを与える、そんな役回りだと思います。

なんていうか俗世離れいている割に人の心奥深くを触るような人間ぽいカードですよね。

 

瑠璃: 

え?!そんなに周りに人いないよ?!笑 リーダーシップもね、最近ようやく、私にリーダーの素質はない、ただ出しゃばってただけだ!と気付きました。

まあ私の話はさておき、確かに賢者にそんな積極性はなさそうですね。もう彼的には、精神的にも肉体的にも彼のゴールみたいなものに辿りついていて、これ以上更に何かする意欲も必要もないのかもしれませんね。

そんな仙人みたいな人だけど、「人間ぽい」。それは、彼の積み重ねてきたものが、現実の人間とか現実の物事がベースになってるからかなー?多分人間関係ももう要らないくらい、彼的にはすべてを経験し尽したのかな。

 

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琥珀

いろいろ体験してきたかー。そういえばこのタロットを語るシリーズの序章でも愚者と旅に出かけようと書いていますが、この隠者の姿は実世界で様々な経験し老性した愚者の様に感じますね!

無垢が人間の世界で希望に満ち様々なものを見聞して世の理を知り、生きる喜び悲しみ難しさを知って、あの陽気だった愚者が自分なりの悟りを開きあとはその肉体の死が訪れるまでひっそりと今までの経験を思い返しながらひっそりと暮らす…そういうイメージだと隠者のキーワードがすっと理解できる気がします。

そりゃ人生色々経験したんだから、あのご陽気パーティピーポーの愚者くんが隠者のような落ち着き具合になっても驚きません…笑

 

瑠璃

同じ杖を持っているというところから、この隠者はあの愚者くんが成長した姿とも言われますものね。いやー、あの無鉄砲で後先のことなんて何一つ考えてなさそうな愚者くんが、こんな慎重で思慮深い地味で控えめな隠者になるとは。

でも確かに自分自身に置き換えても、色々失敗したり知識を得たことによって、頭で考えて行動を制御することが増えたような気がします。それは、無駄や失敗が減って賢くなったとも言えるけど、無駄や失敗を避けようとするあまり未知なことや違うものへの拒絶にもつながっているとも言えます。知恵と経験を積むことの良いところと悪いところ、それがまさに隠者の正・逆の意味になっている感じがします。

 

琥珀

そうですね、未知を恐れて自分の殻に閉じこもってしまっているのは「愚かなこと」と言えますが、先ほど比較した0番「愚者」とは性質が違う事を理解する必要がありますね。他にも逆に洞察力を欠いた浅はかな悟りによって全く的外れな方向へ進んでいってしまっている状態を指すこともあるようにも思います。もう自分ではどうすることもできないんだ…と世捨て人の域を超え捨鉢的な考えに走って世を儚んだり、彼の持つカンテラの光が霞んでより暗い闇に沈んで行くような…

どちらにせよ逆位置になると自分の世界へ閉じこもり、外界を遮断してしまうという状態になっていること示していますね。

 

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瑠璃

うんうん、外界との遮断というのは、隠者のもう一つのキーワードですよね。一人でいることも、良い面・悪い面両方あって、琥珀さんの言うように、「どうせ…」みたいな感じで現実世界から逃げて自分の世界に閉じこもってるのは、否定的な独りよがりだけど、でも、現実世界の諸々に流されずに一人で静かに自分と向き合い対話するのが重要な時もある。それは前述の孤独とは違って、 そこから答えや真理が見つかるような、振り返りと内省、そして一人でホッと素に戻れるような大事な一人時間という面もあるように思います。いや、ほんと、一人時間は大事…!必須!

 

琥珀

必須必須!!同じひとり時間でもこのニュアンスの違いを頭に入れておくとぐっと読み解きやすなりますね。ヤケクソ世捨て人おじさんか沈黙の賢者か…。 隠者に関して正逆はより自分の姿勢次第という感じがします。 (私は老後前者になっていそう!)

さて色々な経験を得てながーい旅をしてきた愚者くん、そりゃ静かに自分を見つめ返す時間も必要でしょう。しかし、彼の旅はたとえ肉体を離れてもまだまだ続くようです。以降のカードは今までよりも概念的になってきます。難しく感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、タロットの素晴らしい点の一つが読み手の感性やインスピレーションを織り交ぜて占えるという点です。なので概念的になった分、より自分なりのオリジナル解釈を見つけて行きやすくもあるのでまだまだこれからも是非私たちと一緒にタロット世界の旅を楽しんで頂けると嬉しいです♪

 

瑠璃

です♪

 

お読み頂き、ありがとうございました。

鑑定のご依頼も随時お待ちしています٩( ᐛ )و

 

 

lapis-amber.hatenablog.com

 

 

力とは

力はタロット8番目のカードです。獅子を手なずけて優しく微笑む女性が描かれています。
獅子は古今東西で百獣の王として最強の肉食獣と認識され、前回の戦車でも触れた聖獣スフィンクスの原型にもなっているように、力において人間を超えた聖なる生き物とされていました。
そんな獅子が服従のポーズをとり飼い猫のように撫でられ気持ちよさそうにじゃれついているのは白いナチュラルなドレスをまとった女性です。
白いドレスは彼女の汚れなき純潔や、無垢を象徴し、ゆったりとした仕草や表情からは「女帝」とはまた違った女性のパワーを感じます。頭上のインフニティマークも彼女の聖性や溢れ出るパワーを強調しどことなく大地母神のような雰囲気ですね。
命をも奪われかねない獅子を暴力や恐怖で屈服させる事なく、あくまで対等な立場に立ち、獅子に生きる歓びや幸せを感じるように優しく喉元を撫でながら平和的に懐柔しているのです。
暴力や恐怖でのコントロールでは、憎しみ恨みを生みネガティブな連鎖は止まらないでしょう。
タロット8番目のカードはそんな力での支配ではなく、人間らしく物事を解決する力、真の力とは何かを我々に示すカードの様に感じます。
 
言葉の通じぬどう猛な獅子を懐柔するという事はそうたやすい事ではありません。強い意志で受け入れ忍耐がなければ決して成し得ない事です。長く時間をかけ精神修行を積む事でこの女性の様に人間としての本質的な強さを手に入れることができるのではないでしょうか。

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正位置であれば困難を受け入れる精神力や忍耐力、人間の本質的な強さやその重要性を示しています。
困難に対し己を奮い立たせ、果敢に挑む必要性を告げることもあるでしょう。
相手を理解し、心を通わす事、安定した対等関係、コントロールなどがキーワードとなります。
問題においては表層的ではなく根本解決を目指すので長期戦となりますが、真の解決に対する真摯な心が求められるでしょう。
逆位置になるとそういった境地に至っていない、忍耐不足や恐れや恐怖に負けてしまう心の弱さや、逆に尊大な振る舞いや自尊心の高さが裏目に出ている事を示すこともあるでしょう。
 
 
正位置キーワード
  • 忍耐
  • 克服
  • 勇気
  • 達成
  • 長期戦
  • 気高さ
  • 理性的
  • 受動的
  • 寛容
 
逆位置キーワード
  • 忍耐不足
  • 投げやり
  • 自信がない
  • 努力不足
  • 諦め
  • 甘え
  • わがまま
  • 持久力のなさ
  • 恐怖に負ける
  • 暴力で組伏す
 

シチュエーション別解釈

 
現在の状況

正位置

  • 達成に向け努力を怠らない
  • 忍耐強く取り組んでいる
  • 己を奮い立たせる時
  • 長期戦となる状況
  • 柔軟に受け入れることができている

 

逆位置

  • 更なる努力が必要
  • 自信を失っている
  • 権力や自分の力を振りかざしてしまっている
  • 粘り強さや忍耐が足りていない

 

相手の気持ち

正位置

  • 時間を掛けても大切に関係を温めたい
  • 相手の意志を尊重して受け入れたい
  • 一途
  • 欠点もすべて含めて受け入れている

 

逆位置

  • 意欲を失っている
  • わがままを通したい
  • 甘えて依存している
  • 相互理解の姿勢がない(割り切っている)
  • 自分の手には負えない

 

結果

正位置

  • 自分の弱点を克服する
  • 時間が掛かっても達成できる
  • 自分の信念を貫く事ができる
  • 困難な時を乗り越える
  • 事態の継続、コントロール

 

逆位置

  • 自分の欲望に負けてしまう
  • 自信を失い挑戦できない
  • 意欲を失って継続できない、諦める
  • ドロップアウト
  • 忍耐や寛容さが足りずに何かを手放してしまう

 

アドバイス

正位置

  • 自分の信念を疑わないで
  • 時間が掛かっても丁寧に進めることで成功を手にする
  • 勇気を持って困難に挑戦して
  • 寛大な受容性と包容力のある優しさを発揮して

 

逆位置

  • 甘えは禁物
  • 意欲がないならもう潮時
  • 自分の気高さを忘れないで
  • 問題の原因を見極めて
  • 恐怖や恐れに負けずに真の強さをもって
  • 投げ出したり諦めたりしないで根気強く
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瑠璃と琥珀、力について語る

 
このカードは「力」というワードから多くの人が連想する「力」とかけ離れたイメージの絵が描かれていると思います。実際比較的タイトルから分かりやすい絵柄の多い大アルカナの中でも寓話的表現がなされるこのカードは目を引きますよね。
歩み寄るとか、相互理解とか勇気を出すそう言った事全部ひっくるめて「力」とするのがすごくかっこいいカードで好きです!
以前瑠璃さんこのカードを見てジブリナウシカを連想するって仰ってましたがまさにぴったりだなって思います。
 
瑠璃
そうなんです!ナウシカについて語る気満々でここにおります(笑)
ジブリ知らない人にはすみませんなのですが、もうこのカードは、わたしの中で、ナウシカがキツネリスのテトと始めて出会うシーンで、恐怖や怯えからテトがナウシカに噛みついた時に、「ほら、こわくない」「ね」とテトに優しく語りかけ、寛容な愛をもってテトを懐柔していく場面のカードなのです。ここでのナウシカがまさに力の正位置、そして恐怖や怯えに暴力という力で相手を負かそうとしているテトが力の逆位置、というイメージです。
 
かなりしっくりくるシーンのチョイスで瑠璃さんのジブリファン度の深さが伺えます笑
作品全体を通してもナウシカの姿勢は力というカードにぴったりですので、ご興味ある方はぜひ!!
戦車も人が獣性を「コントロール」している様子でしたが力は少し様子が違って、対等な立場で獅子を「手懐けて」いますね。このニュアンスの違いについてはどういう風に捉えていますか?
 
瑠璃
戦車と対比させた面白い着眼点ですね。確かに力で描かれている関係というのは、上から下へみたいな統制ではなく、もっと横並び的な対等な感じがありますね。
いや、多分本来の自然の摂理でいけば獅子の方が圧倒的に強いので、人間は負けてしまうのでしょうが、それを物理的な力ではなくて、もっと精神的な力のようなもので対等な立場にもっていっている、むしろ獅子より上に立っているという感じがある気がします。
物理的な力を超える、精神的な力・・・それがこのカードの意味する力なのかもですね。
 
そうですね尊厳や理性をもって獅子と共にあろうとする姿勢は人だけが持つ不屈の精神を示していると感じます。そのためにはどうしても長い期間の努力や修行が必要だとしても心に決めたものがあればそれをやり通す「力」になるのでしょう。
「戦車」に通ずる面もありますが「力」は受容と寛容という精神的な部分がポイントになっていると思います。
理性と本能とのバランスをとって進む動きのある「戦車」に対し「力」は静かに受動の姿勢をとって初めて発揮されるものという感じでしょうか。
 
瑠璃
確かに、相手ありきの受動による力ですよね。相手を手玉に転がすというか、相手の力を自分のものにする、いわば合気道的な、相手の力をうまく受け流し生かすみたいなのも、このカードに対するイメージとしてあります。
だからこそこのカードのキーワードとして長い時間をかけるとか忍耐という意味が出てくるのでしょうね。諦めずに根気よく向き合うことで、やっと通じ合える、やっと克服できる、やっと手に入れることができる力。
 
そういえば瑠璃さん何かのお話の時に、最近の時代はインスタント的に結果を求めがちって言ってましたけどこの力のカードは現在の社会の傾向と相対しているようにも感じますね。
本質的な解決や結果のためには即物的対応には限界があるように思います。素早さやスマートさもちろん大切ですが、時にはこの女性倣って困難に対して立ち向かい時間をかける事で得る事も必ずあると思います!
 
瑠璃
ですね!
さっきのテトでいえば、未知なる相手におののき、相手と向き合うという難しそうな選択はさっさと捨てて、短絡的に暴力という物理的な力の行使に出てしまっていますもんね。
ちなみに琥珀さんの中で力の逆位置というのはどんなイメージがあったりしますか?
 

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そうですねー、イメージするのは獅子の懐柔に失敗して喉元に噛みつかれてしまうシーンです。
その原因は挫折して結果を急ぎすぎてしまったのか、大切にすべき尊厳を見失った故か、はたまた勝手に恐れを抱いて逃げ腰になってしまったからか、前後のカードや質問内容から導き出しますが、まずはこのカードの示す本来の意味が発揮されていないと捉えます。正逆どちらにしよ精神力にフォーカスされたメッセージを感じますね。
 
瑠璃
動物って人の気持ちを鋭く察するみたいなのありますもんね。ちょっとでも、「あ、負けそうかも」って弱気や恐怖心を持っていると、「こいつ俺より弱いわ、下だわ」と獅子に見透かされてしまうのでしょうし、逆に「力でねじ伏せてやるー」と相手を尊重せずにいきなり上に立とうとすれば、それはそれで獅子にがぶりと噛まれて己の弱さや浅はかさを思い知ることになるのでしょう。
真の強さを心にもつ・・・煉獄さん・・・!そういえば煉獄さんも言ってました、「強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない」と。まあ煉獄さんは肉体も相当鍛え上げているので強いですが、まさに今回話した内容!
 
真の強さを心にもつ…!ほんと煉獄さんはいいことしか言いませんね!笑そしてこのカードの本質を突く言葉だと思います。自分の持ち得る力を誇張する訳ではなく、本当の安寧を得るために困難にも怯まず立ち向かう。
容易な事ではありませんが、カードの女性は現実を生きる上で大事にしたい事を示してくれている様に思えます。
 
お読み頂き、ありがとうございました。
ご依頼もお待ちしております!(๑>◡<๑)
 

戦車

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戦車とは

 

恋人の次は戦車です。城を背にし、防具を身につけた青年が、戦車に乗り、というよりもむしろ戦車と一体となり、勇ましい顔つきで戦場へ向かうべくまっすぐ前を見すえています。そして、手前には戦車を先導するかのように、白黒の二匹のスフィンクスが描かれています。
戦う車と書いて戦車ですからね、これから戦いに行くぞ!と強い意志や負けない気迫といった士気の高まりや、ただ前進あるのみというような猪突猛進的な勢いのようなものを感じさせるカードです。
そんな中、手前の二匹のスフィンクスは、心なしかお互いに逆の方向を向き、うまく統制しないと、右へ左へと足並みが乱れてしまいそうな気配が漂っています。もしかすると、少しでも恐怖や不安といった闇に心が奪われ、張っていた気が緩んだ瞬間に、戦車はコントロールを失い、止まってしまったり、あるいは暴走し出してしまうのかもしれません。
意志の強さで勝利の行方が決まる、そんなことも感じさせるカードです。
 

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正位置であれば、揺るがない意志で力強く前進している様子や、またそうあるべきというような意味になります。勝利へ向かってただひだすら行くべし、行動すべし!恐れも迷いもない、勢いあるストレートな前進力です。
 
逆位置であれば、それらの意味がひっくり返り、後退や怯みが出てきます。心の迷いや不安がダイレクトに行動に表れ、力強く前に進めないかもしれません。あるいは、間違った方向や不適切な方向へと暴走している可能性もあります。士気を高め直して前進し続けるには、心のひっかかりとちゃんと向き合ったり、一旦止まって方向性の確認をしたりする必要があるのかもしれません。

 

正位置キーワード
  • 前進
  • 行動
  • GO!
  • 意志
  • 勝利
  • 統制
  • 奮闘
  • 挑戦

 

逆位置キーワード
  • 迷い
  • 怯み
  • 臆病
  • 停止
  • 暴走
  • 意気消沈
  • 恐怖心

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シチュエーション別解釈

 
現在の状況/戦車正位置
  • 現在の状況/戦車正位置
  • 勢いよく前進している
  • 決めた目的や目標に向かって迷いなく邁進している
  • 強い意志が必要
  • がむしゃらになっている
  • 覚悟を決めて挑むべき時

 

現在の状況 /戦車逆位置
  • 迷いや恐れがある
  • コントロールがとれず暴走している
  • 突っ走って、周囲が見えなくなっている
  • 意志が弱くなっている
  • 興味が持てなかったり気持ちが入らない

 

相手の気持ち/戦車正位置
  • やる気や士気が高まっている
  • 積極的に行動したい
  • 自分の意思を貫く
  • 迷いや恐れがなく勝気に満ちている

 

相手の気持ち/戦車逆位置
  • 迷いがあって行動できない
  • 恐怖心や不安がある
  • やる気がなくなって投げやりになっている
  • 気持ちの焦りや空回りしている感じ

 

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結果/戦車正位置
  • 行動により勝利や実のある成果を手にする
  • ぶれない強い気持ちや自信を得る
  • 物事が大きく進展する
  • 迷いがなくなり決断や覚悟ができる
  • 主導権を握る

 

結果/戦車逆位置
  • 自信を持って勢いよく進めなくなる
  • 間違った方向に進んでしまう
  • 行動に起こせずに終わる
  • 不完全燃焼で後悔が残る
  • 優柔不断になり覚悟が決まらない

 

アドバイス/戦車正位置
  • 迷わずそのまま突き進め
  • 積極性と行動力が勝利へと導く
  • 必要なのはあなたの強い意志と気持ち
  • 自分の意志を貫いて
  • 気持ちを奮い立たせて挑戦すべし

 

アドバイス/戦車逆位置
  • 迷いや不安の原因と向き合って
  • まだ行動を起こす準備や気持ちが整っていない
  • 足りないのはあなたの強い意志と気持ち
  • 進もうとしている方向が適切かどうか少し立ち止まってみて
  • 行動が空回りしたり暴走化していないか冷静になって

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瑠璃と琥珀恋人について語る

 
瑠璃

戦車のカードを見ると、「GO!」という言葉が浮かびます。例えば、何か迷ってて戦車が出ると、迷わず行っていいんだと応援されているような気持ちになるし、恋愛に関する占いで相手の気持ちで戦車が出たら、おぉ相手もなかなか乗り気ねと感じたり、どちらかと言えば出ると嬉しいカードなのですが、ちょっと異様な不穏な空気を醸し出してるのが2匹のスフィンクスですよね。 

 

そうですね。すましているのか、なんなのか…。白い方に至っては月亭方正に似てるっていつも思ってます。笑 

 
瑠璃

え、月亭方正?!笑 

 
琥珀

さておき、スフィンクスはエジプト神話に出て来る人頭獅子の聖獣。神話の中ではクイズ好きだったりと知的な一面も伺えます。そんな半分獣で半分が人間というスフィンクスが二頭、白と黒で描かれていてまるで、獅子の獣の本能か、人頭の理性という対立的な原理を示しているようです。リーディングの時はこれら性質の違うものをうまく制御できているか、どうかというのもポイントになりますよね。

 
瑠璃
さすが雑学とかの知識が豊富な琥珀さん!獣の本能と人の理性…なるほど。思えばこの「青年」というのも、子どもという本能的な存在と大人という理性的な存在の中間に存在する、両者の対立する性質をあわせもったような人物ですね。
そして、前回の恋人ではどちらかといえば本能>理性だったのが、今回の戦車では本能<理性に傾き、より大人に、より成熟していってるって感じがします。

 

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対立といえば、私はこのカードからGO!GO!勢いを感じると共に、二面性も感じるんです。甲冑の肩部分の月の表情も対照的だし、この男性も城壁の外では凛々しく決めているけど、では城壁の中では(ホーム)どうなのかな?とか。特に逆位置で出た時は、勢いがでない根底には何か相談者の中に矛盾や葛藤があるのかな?と考えたりします。 

 
瑠璃
うんうん、ここではバシっときめているけど、多分中身はまだあどけなさの残る若者な部分であったり、恐怖や迷いなどの葛藤もありそう。それを、強い意志と理性で制御し、自身を律している。そうやって気持ちを強くもっていないと、一瞬の気の緩みで、一気に抑え込んでいた本能的な部分が出てきてしまいそうな。
不適切?かもしれませんが、特攻隊を思い起こします。強い意志と責務を持ち、決して弱いところは見せまいと気丈に振る舞いつつも、その内実は子どものような我儘や甘え、あるいは本能的な恐怖心や怯えなどもあったのではないでしょうか。
 
瑠璃
あ、少し脱線してしまいました…逆位置の話でしたね。おっしゃるように、矛盾や葛藤といったものが行動を阻んでいると裏返ってしまいそうですね。それを解消したり、迷いがあるから止めるというも手ですが、戦車という理性>本能的な性質からいくと、嫌だなーという気持ちを抱えながらもやらなきゃならんこともあるねんで、恐くてもなんとか自分を鼓舞して進んでいくんやで、という意味もあるのかなーなんて思えてきます。 
 

なるほど〜。それは新しい視点です。そうですよね、戦車のカードの意味を考えると納得の解釈です。 

 

瑠璃

いやぁ、自分でも改めてカードと向き合い、言葉として出すことで、こんな見方とか考え方あったんだって、再発見できる場です、ここ(笑) 

 

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琥珀 :

瑠璃さんのご意見伺って思ったのが、戦車だけではなく他のカードにも言えることで、ただカードの意味を暗記的に繋げるのではなく、なぜこの場所にこのカードが出たのかな?ということを考えるのがとても大事だと思います。単純にNOや頓挫を示すカードって戦車逆位置以外にも沢山あるのですが、なぜここで戦車逆位置なんだろう?とカードの性質や背景を考えることで、教本にはないオリジナルの視点を持つことが出来、よりカードの真意に即したリーディングが出来そうですね!
 
私も脱線してしまいました!逆位置だと他には戦車の持つ勢いが裏返って暴走、制御不能というのもよく感じます。
元々正位置であっても衝動的でテンションの高い状態なのでそれが裏返るとそのあと先考えないぜ!と根の浅い衝動的な状態を指摘している様な。こうなってはスフィンクスから転がり落ちて、思わぬ怪我をしたり、そのせいで意気消沈することもあるでしょう。
 
瑠璃
確かに逆位置は暴走とか制御不能って感じありますね。意志が足りずに迷いや怯みと読むか、思いが強すぎるあまり間違った方へ突き進んでいっちゃってるよーって読むか。
 
どちらにせよ戦車も恋人と同じく衝動・刹那的な感情や高ぶりを多く孕んだカードです。その勢いはどこに向かっているのか、コントロールされたパワーなのかを見極める必要があると思います。 
 
瑠璃
そうですね、単なる果敢な行動や前進ではなく、そこに理性や意志というコントロールがかかっているかってのが重要なのかもですね。 


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お読み頂き、ありがとうございました。
鑑定のご依頼も随時お待ちしています٩( ᐛ )و
 
 

 
 

片思いの先生の気持ちと二人の行く末

 
こんにちは、琥珀です。
以前募集致しました無料モニター様の鑑定をご紹介させて頂きます。
内容は個人情報が特定できない範囲で一部省略、改変しております。
 
目次

ご依頼内容

 
片思いの相手のお気持ちと二人の行く末について。
ご依頼者様は習い事の先生と打ち解ける中で先生に恋をされました。
ご依頼者様は既婚ですが夫とは別居に至っており、離婚も決定されていますがまだ成立はしていない状態との事です。
葛藤しつつも先生への想いは募るばかりなので、今後告白して先生とおつきあいできるのかを知りたいというご依頼内容でした。
 
 

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鑑定結果

 
まず現状ですが限られた時間の中で、先生との関係を築くため健気なアピールをされている様ですね。
その甲斐あってか、先生もあなた様の好意に少なからず気づいている様です。
ですが彼は「先生」と「生徒」という関係において一線を越える事はしないというお考えで、その気持ちは揺るがず固いものに見えます。
この様なお考えの方なので残念ですが現時点での習い事を接点とした先生との進展は見込めない様です。
 
決してあなた様が悪いという訳ではなく、真面目でとてもプロ意識の高い方なのでしょう。あなたが惹かれる理由もわかる様な気がします。
そんな彼の考えを尊重して、あくまで生徒として彼を思い、習い事の内容を充実、習得して一目置かれる生徒という存在になる事がお二人の今後の関係においては良い様に思えます。
 
今回あなた様と気になる先生について占いましたが、不思議なことにあなた様個人に対するメッセージが多く展開されました。
これは恐らくご依頼文にありました離婚についてかもしれません。
もしかするとお互いに話し合えていない点、納得できずに合意がなされてない点などがあり、ずるずると長引かれておられる状況ではありませんか。
この離婚問題がたとえ無意識でも現在のあなた様を縛っている暗示があり、決着しない限り、なかなか先へは進めない様です。
仮に今後素敵な方と出会って恋に落ちたとしてもそれは現実からの逃避として実を結ばぬものになってしまう可能性があります。
あなた様の新しい未来のためにとてもエネルギーを要する事ですが、配偶者ともう一度離婚に至る原因についてや、条件についてなど一片の思い残しなく話し合ってとカードはいっています。
この問題においてうやむやさを残しての解決は難しいでしょう。
あなた様の生まれ持った性質をみても誠実で意志が強く地に足つけてコツコツと努力を重ねる事ができる方ですので、きっと成す事が出来ると思います。
大変な事ではありますが、新たな一歩のため、どうか悔いないようになさってください。
 
 
 

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ご感想

 
今回は鑑定ありがとうございました。
自分が気が付いてても見て見ぬふりをしていた事をスパッと言われて、
あーそこかぁ…痛い所つかれたなぁ…。
向き合わなきゃいけないんだなぁ。って改めて思い知らされた感じです。
ちゃんと向き合おうって、向き合って、次のステップにつなげていこうって思いました。
ハッキリと伝えていただいた事で、背中を押してもらった気がします。
これから大変な事が待ち受けてますが、頑張ろうって思いました。
 
今回はありがとうございました。
 

最後に

この度はご依頼くださり、またご感想もお寄せいただいてありがとうございました。
タロットから本来の鑑定依頼とは別の部分に多くメッセージがあり、お伝えすべきことか悩みましたがこの事がご依頼者様の悩みの根幹と感じたので触れさせていただきました。
とても前向きに捉えていただけて良かったです。

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私たちは依頼に真摯に応えることはもちろん、お話頂いた中からご依頼者様のお悩みの根本的原因についても考えます。
我々の鑑定がご依頼者様が前に進む一添えになればこれほど嬉しいことはありません。
また丁寧に回答することも心掛けておりますので、鑑定で分かりづらい所あれば遠慮なくご質問くださいね。
詳細は下記記事よりご確認くださいませ。
ご依頼お待ちしています♪
 
 

恋人

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恋人とは

 
6番目のカードは恋人です。今までの人物たちとは違い、いきなり抽象的なカードになるので印象的ですね。
この札の絵柄を見ると旧約聖書の創世記にある「エデンの園」の話を連想される方も多いのではないでしょうか。
 
エデンの園のお話を簡単にしますと神が自分の姿に似せて「人間」を創造し、男性性のアダムに彼の肋骨を用いて創った女性性のイヴを添わせ、エデンの園にある善悪を知るための「知恵の樹」、永遠の命を司る「生命の樹」を守護させます。
そこで二人は楽しく、純粋な心のままに自然の営みを愛し、神に愛されなんの苦しみもない生活をしていました。
しかし悪魔の化身である蛇が「知恵の実を食べてごらんよ」とイヴを唆すのです。知恵の実には「善悪の判断を神ではなく、自分たちができる様になる」という力があり、この能力を得る事は神に対する反逆と同時に人間本来の無垢さや純粋さのまま喜び楽しみを分け合う性質を失うものでした。
神は知恵の実を食べてはいけないと二人に命じていましたが、イヴとアダムがその実を食した瞬間、彼らに羞恥心が芽生え、その事実を知った神の怒りを受けて原罪を背負い、エデンの楽園から追放されていったという内容です。
 

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以上を踏まえてこのカードを見ると明るく、楽しい雰囲気で、裸体を気にしない二人の様子からはどうやらまだ知恵の実を食べる前の、神の庇護下で肉欲や苦しみなど知らない純粋に生を楽しんでいる時の様ですね。
ただ、まだ知恵の身を食す前なので、複雑な感情の上での愛や慈しみというよりは一緒にいてなんとなく楽しいというあくまでも感覚的な好意なのでしょう。
イヴの後ろには実がついた知恵の木とそれに絡みつく蛇がいます。また二人の後ろには高い山がそびえ、これから二人の身に降りかかる険しい試練を表している様です。
このカードは生きる上で私たちを取り巻く難しい問題やしがらみは抜きにして、ただ一緒にいるだけで楽しい!好き!という無垢な心で人を愛するという人間の感覚的な喜びや男と女、陰と陽の違うもの同士の結びつきは完全ではなくそれが移ろいやすい刹那的なもの、また何かを選び取る直感的選択のタイミングを示しています。
 
正位置だと楽しい時や心が満ちるという様な理屈では説明できない感覚的な事柄を指し、逆位置だとその楽しい気持ちが萎んでしまったり、軽薄さを表します。
人の心のとても感覚的な部分を指すカードなので状況や、問題の背景を汲んでリーディングする事が重要です。
 
正位置キーワード
  • 協調
  • フィーリングが合う
  • 楽しさ
  • ときめき
  • 開放感
  • 選択
  • 円満
  • 初々しさ
  • コミュケーション
  • 快楽
  • 恋愛

 

逆位置キーワード
  • 不調和
  • 軽率
  • 未熟さ
  • 優柔不断
  • 無責任
  • マンネリ
  • 不一致
  • 誘惑に流される
  • 刹那的
  • 節度を持つ

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シチュエーション別解釈

 
現在の状況/正位置
  • 一体感がある
  • 現状を楽しんでいる
  • 心地が良い環境
  • 選択の時
  • 三者による助けや加護がある
  • 自分の気持ちと環境や相手がぴったり合っている
  • 何にも邪魔されずに開放感がある
  • 恋愛関係にあるか恋愛に発展しつつある
現在の状況/逆位置
  • 周囲に流されている
  • 気持ちが散漫で集中できていない
  • マンネリで楽しめない
  • 優柔不断で思い切れない
  • ダラダラとしている
  • 重要なことに目をつぶっている
  • 心から楽しめない
  • 頭で考え過ぎて感情や直感に従えていない
  • 恋愛関係の問題を抱えている
 

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相手の気持ち/正位置
  • フィーリングが合う
  • もっと一緒にいたいと思う
  • 細かいところは気にならない
  • 好き
  • 惹かれている
  • 心がオープンで開放的になっている
 
相手の気持ち/逆位置
  • 合わないと感じる
  • 刺激がない
  • 自制が効かない
  • 浮気心
  • 今だけ楽しい時間を過ごせればいい
  • 深い関係は求めていない
  • 心から純粋に好きなったり楽しんだりできない
結果/正位置
  • 満足のいく結果が出る
  • より良い円満な関係となる
  • コミュケーション能力の発揮
  • 恋が始まる
  • 良いパートナーと巡り合う
  • 心から楽しめる
  • ぴったり合うと感じる相手や環境に出会う
 
結果/逆位置
  • 流されて結論が出ない
  • 誘惑に負ける
  • 不本意な結果となる
  • 無責任に今だけを楽しむ
  • その場限りで深い関係にはならない
  • 理性で制御をかけすぎてしまう
 
アドバイス/正位置
  • 心のままに楽しんで
  • 自分の直感を信じて
  • 形式にとらわれないで
  • もっと身も心も外に開いてオープンに
  • 難しく考えずに楽しめばいい
アドバイス/逆位置
  • 自制心を持って
  • 誘惑に負けないで
  • 先のことを見据えた責任感ある行動を
  • 好きになるのに理屈や理由もいらない
  • 頭で考え過ぎずにもっと直観や感情に従って

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瑠璃と琥珀恋人について語る

 
今回は恋人についてです。急にふわっと抽象的になりますよね!
恋にも色々あると思います。でもこのカードはその中でも「初めまして、あ、なんかいいかも。もっと色々知りたいかも」という恋のスタートのドキドキワクワク楽しさ嬉しさ100パーセントな気持ちを指していて出てくるとアラいいですねーという気持ちになります。
こういういいなと思ってお互いを知っていく期間は人生の中でもとても貴重な短い期間だと思います。
どんなに最初が良くてもお互いのいろんな面が見えてくると「ただ好き」だけの桃色感情ではなく喜怒哀楽色々なエキスが混ざり合った鈍色の「それでも好き」になってきますもんね、これぞ原罪笑
尊いよ恋人。
 
瑠璃
尊いよ笑。
今話してくれたように、恋愛初期のドキドキワクワク、なんで好きかって?そんなの理由もへったくれもないよ!なんかわかないけど好きなんだよ!恋って落ちるものなんだよ!って感じのカードですよね。
いやーいいですね♪なんというか、そういう頭で考えた理由とか理屈とかを超えた本能的というか動物的なところに野性さも感じるカードです。
ホルモンですね。もうそういうホルモンが出ちゃってるんですよ。
 
別名ホルモンカード!笑
ちょっと本題から逸れますけど瑠璃さんみたいに、感じたことをそのままカードに自分のオリジナルネームをつけてリーディングしていくのはタロットを使いこなす上で有効な方法だと思います。
キーワードがあるととっさにひらめいたり、ぐっとスプレッドも読み解きやすくなりますね。
ぜひ皆さんにもして頂きたい、そしてどんなネーミングなのか教えて欲しいです笑
 
瑠璃
このカードって、もうタイトルのままに「恋人」や「恋愛」がキーワードではあり、恋愛に関して、特に片思いに関して占っている時に出てくれば、その恋うまくいくよ!って感じがするのですが、長く続くかは・・・?ってところがありますよね。
感覚的に動物的にフィーリングでの合う!なので、深い関係になった時に、相手の考えや価値観をもっと深く知った時に、あれ違う?ってなる可能性はあるかもです。
それでもそんな惹かれあう相手に、そしてタイミングよく出会えるなんて、後ろにいる神様が引き合わせてくれているかのような、不思議な巡りあわせや計らいが働いているのではないでしょうか。
結果ダメになっても、素敵な時間が持てたのであれば、それはそれで素敵だと個人的には思いますし、このカードもそういう世界観だと思います。
 
琥珀
うん、今がサイコー!!って感じですよね。動物的感覚は長続きしないものですし、賞味期限があるからこそ美味しい、とも思えます。
しかしその時間は二人いずれ違う道を歩むとしても決して消えることはないですし、その思い出に苦しんだとしても決して悪いことではありません。
まさに神の計らいと言えますね。
今は恋愛を占った時の恋人についてですが、それ以外の対人関係に対しても当てはまりますね。1つの集団として一緒にいると楽しい!ノリがあう!けど個々のパーソナリティについてはまだよく知らない…そんなニュアンスです。
 
瑠璃
うんうん、ノリが合う、フィーリングが合う、そういうのありますもんね。そして楽しいならそれでいいじゃーん、先のこととか、難しいこととかいいじゃーんって感じですね。
まさに快く楽しい、「快楽」ですね。

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さて、では逆位置になるとどうでしょう。
この恋人の持つライトな雰囲気が裏目に出て軽薄だったり、今だけの悦びが強調されて後先を考えない快楽主義のようなニュアンスになると思います。
例えば恋愛でいうなら正位置より自分の欲望を優先させてしまったり、快楽に流されたり。無垢で純粋な気持ちでというより、楽な方へ流されてしまうという感でしょうか。でも知恵の実を食す前なので、葛藤の末至ってしまうというよりは罪の意識も薄いし、あとはどうなろうが知らねーぜ!的な一夜のアバンチュールのような雰囲気になります。
またもっと感覚に従うべき場面なのに頭で考えすぎているよ!と全く違うニュアンスで出現するときもあるので、このカード正逆どちらも前後のカードや相談内容を吟味して読み解く一枚ですね。
快楽に流されたり、節度を保つことは別に悪いことでは無いけれど、本人は本当はどうしたいかな?という部分にスポットを当てて見たり。
瑠璃さんは恋人の逆位置が出るとどんなことを思いますか?
 
瑠璃
そうなんだよねぇ、逆位置は過ぎる場合と足りない場合の両方の意味を持つからねぇ。
個人的には、このカードが逆位置で出ると、大人になっちゃったかな、賢くなっちゃったかな、理性芽生えちゃったかなって感じるかな。
丁度、知恵の実を食べた後のイメージ。
もうね、こんな素っ裸にもなれないしね、変な壁とか作らずにオープンハートで相手や環境に接することもなかなか難しくなっちゃうのよね、大人になると。
アダムさんとイヴさんもあーんなに楽しく暮らしてたのに、知恵の実を食べたがゆえに、大人の階段上っちゃたのよね。
でも、やっぱり大人の階段を上ったからこそ見える景色や知れることもあるんだろうね。対人関係でも、深く関わり知ることで、新たに芽生えるものがある。
 
人間だからこその複雑な心の揺れ、葛藤、その上での喜びを知ってしまったらどんな苦痛があろうと、もうエデンの園での暮らしには戻れないのかもしれませんね。
一切の苦しみがないという事が=幸せとは限りません。
原罪を背負う事で失ったものも大きいですが、また得たものも変えがたいものだと思います。
ただ私たちも本能という野生を抱えた動物です。
時にはこのカードの示すようにひと時の快楽、純粋な悦びに身を任す時があってもいいのでは無いかと思います。

 

お読み頂き、ありがとうございました。

鑑定のご依頼も随時お待ちしています٩( ᐛ )و

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司祭

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司祭とは

前回の皇帝が社会を力強く生き抜き、安定や安全のために厳さをもって、現実的に統制する存在であるならば、今回の司祭は価値観や倫理観、また道徳といった精神的な見えないルールで統制を図る、文化や伝統を司る存在です。
教皇、祭司、法王などとも呼ばれ、立派な服装に身をつつみ、聖者が魔除けや除霊を行う際にする右手を上げるポーズをとる彼は、どこか常人とは一線を画した聖なる力を持った存在のように見えます。
彼のもとには彼を尊敬し慕う2人の人物が描かれており、まるで彼は人々の精神的な支えであり、神と人々をつなげる仲介者として精神面での導きを担う偉大な師でもあるようです。
 

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彼はまた何が正しくて何が間違いかを教える指導者でもあります。彼の教える「正しい」と「間違い」は、多くの人が共有する、価値観や慣習に基づいています。
例えば、一人の人を生涯愛することが正しく、浮気や不倫は間違い、といった一般的にとか伝統的に共有されている保守的な価値観や倫理観です。
でも、より多くの子孫を残すという観点からいえば一夫多妻制は理に適っているし、場所や時代が変われば、そもそも婚姻や結婚といったものも全く違う形が主流として存在している・・・そういうあやふやさはあるけれど、はるか昔から今まで長年ずっと続けられてきたことや、多くの人にとって納得や理解がいくものを「よし」とし、それを規範として伝え守える、いわば社会生活におけるモラルの象徴なのです。
 
と、なかなか一言では言い表しにくい司祭ですが、正位置であれば、伝統や道徳やモラルといった社会的な価値観やルールを順守することの大切さを意味します。また精神的な指導者という面から、教育、信仰、尊敬、信頼などもキーワードです。
 
逆位置になると、不道徳とかモラルがないとか、一般的にとか伝統的な考えに従えば間違っているというような意味になります。ルールや常識からはみ出て、大多数の人からは「よくない」、「正しくない」と判断されることです。恋愛であれば浮気や不倫も意味しますし、〇〇ハラスメントと呼ばれるものも含まれるでしょう。また、盲目的に一つの価値観や考えに固執し過ぎたり、ルールや形式だけにこだわり過ぎているような状況も当てはまります。
 

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正位置キーワード
  • モラル
  • 常識
  • 信頼
  • 尊敬
  • 伝統
  • 儀式
  • 慣習
  • 教える・教わる
  • 指導者
  • 保守的
 
逆位置キーワード
  • モラルがない
  • 不道徳
  • 非常識
  • 型破り
  • 信用ならない
  • 融通が利かない
  • 形式ばった
  • 詐欺師
  • 洗脳
  • 偏見
 
 

シチュエーション別解釈

 
現在の状況/司祭正位置
  • 然るべき正しい道を進んでいる
  • 既存のルールや規則にきちんと沿っている
  • サポートや教育を受けられる状況にある
  • 周囲から信頼や尊敬を寄せられている
  • 穏やかな人間関係にある
  • 組織の一員として安定した役割を果たしている
現在の状況/司祭逆位置
  • 不道徳でモラルがない
  • 価値観が合わない
  • 社会や世間一般からはみ出ている
  • 今までにない斬新で革新的なことをしている
  • 偏った知識や考えにマイナスの影響を受けている
  • 周囲から信用されていない
  • ルールにこだわり過ぎている
  • 形だけで実態がともなっていない
 
人の気持ち/司祭正位置
  • 尊敬し信頼している
  • 安心感のある存在
  • ついていきたいと思っている
  • 相手の意見や考えに従いたい
  • ルールや規則をちゃんと守りたい
  • 教えてあげたり精神的な導き手になりたい
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人の気持ち/司祭逆位置
  • 信用できない
  • 不正や間違ったことをしている
  • 価値観や考えが合わない
  • ルールに縛られたくない
  • 普通や常識からはずれたことがしたい
  • 建前だけの関係で親しみがない
 
結果/司祭正位置
  • 常識的に正しい選択をする
  • 周囲から賛同や信頼を得る
  • ルールや規則を守る
  • 人を導いたり教えるような存在になる
  • 信頼できるものに出会う
  • 秩序によって安定がもたらされる
結果/司祭逆位置
  • 不正や間違ったことを犯す
  • 周囲からの信頼を失う
  • 信じていたものが信じられなくなる
  • 偏った考えになったり偏見をもつ
  • 権威に逆らえない
  • 価値観の違いによる齟齬が起きる
  • 形だけ取り繕っていたものの実態が浮き出る
 
アドバイス/司祭正位置
  • 不正はせずに正しいことをして
  • 気持ちの面でのつながりや信頼を築いて
  • あなたの信じていることをそのまま信じて
  • 尊敬する人や師を頼ったり教えを乞うてみて
  • 古典や伝統的なものから学びがある
  • 常識やルールに照らし合わせてみて
  • 慈しみをもって周囲に接して
  • 深入りせずに一定の距離を保って
アドバイス/司祭逆位置
  • あなたはよくても一般的にはよくないかもしれない
  • 不正行為や間違ったことをしていないか注意して
  • 本当に信じていいか信頼していいか見極めて
  • あまりに考え方や価値観が異なっている
  • 古くからの伝統や慣習に縛られ過ぎないで
  • 大多数をしめるメジャーな意見が正しいとは限らない
  • 建前にこだわり過ぎていないか、本当に大切なのは何かよく考えて
 

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瑠璃と琥珀 司祭について語る

 
瑠璃
前の皇帝からかなり間が空いてしまいました。というのも、私、おそらく司祭が一番苦手な存在なのです。なんだろう、まず無宗教の日本人なので、司祭という存在がどういうものか感覚的にわからないし、あとは司祭の顔からして、なんとなくこの人を心から信頼したい気持ちになれない!笑
と、これだと司祭について語るが始まらないので、琥珀さんに振ってみたいと思います(^O^)/
琥珀さん的に、司祭ってどういう存在であったり、どういうふうに捉えていますか?
 
なんて難しいフリなんだ!!うーん、そうですねぇ、確かに司祭って私たちの生活に馴染みがないので理解しにくいですね。身近に置き換えるとすれば、学校の先生のようなものでしょうか。
無垢でまだまだ何も知らない子供達に社会通念や常識を教え込んでいくような。どんな子も分け隔てなく接し、自分の感情を含めずに物事の決まりやルールを教えていく先生のイメージです。金八先生のような感情的な感じではなくて、機械的に聞かれたことにはそつなく、何度でも答えてくれる感じです。(そもそも人という字は支え合って出来てるわけじゃないですからね!金八先生の独自解釈でしょうか?笑 だとすれば早速主観が入った教えです。納得して感動するけど!笑)
どっちがいい教育者かとなると答えはまた別ですが、教えを説くにおいてまず私情を交えず正しく伝達することは伝道者にとって重要な要素だと思います。
でも見方によったら、ルール遵守は四面四角でつめたくも感じます。
 
瑠璃
ふむふむ、なるほど、正しいとか間違いを、均一に平等に淡々と冷静に教える先生のイメージですね。私が司祭になんだか心をオープンにできない気持ちになるのは、その機械的というか、感情や私心が入っていないところから来てるのかもですね。
ルール遵守ゆえ、個人的な感情や考え、ひいては革新的な改善や改良すらも、ルール違反になっちゃうのでしょうね。
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瑠璃
私は今回この苦手意識を抱く司祭の説明を書いていて、「暗黙の了解」とか「空気を読む」の『空気』みたいだなーと思いました。
みんなが当然と思っている価値観や常識の無言の圧みたいな。今思いついた場面はあれです、上司より先に退社してはいけない空気とか。(ちなみに私はそういう実質無意味みたいなのが嫌いで定時で帰ります。)
それって、まあ堅苦しかったり、時には非効率であったり無駄であったりもするのですが、集団とか社会生活で大事な秩序をもたらしてくれるのですよね。
 
暗黙の了解かぁ、仰るように、これに一体何の意味があるのか…という謎の風習があってそれを破った途端に非常識とか秩序ある集団からあぶり出されてしまう感じがします。私は小心者なのでこんな事必要ないのに!!と思いながら空気読んじゃうので、瑠璃さんに憧れちゃいます。
お話ししてて思ったのですが、司祭は懐深く、どんな人にも教えを説いて迷える人々を導きますが、それはあくまで彼の持つ常識に照らし合わせて、その範囲で答えを出す感じがしました。
鑑定をしていると通念的な物差しでは測れなかったり、時としては常識を打ち破れという回答もする時がありますが司祭はそうではないでしょう。
相手に寄り添うのではなく、自分自身に添わして自分のモラルから答えを見つけるというか。
それが秩序として心地よく安心を感じる人もいるし、瑠璃さんのように堅苦しく感じる人もいるのでしょうね。
 
瑠璃
あ!先に弁解しておくと、私は決してルールは破るためにあるとかいう破天荒ではなく、どちらかと言えばルールは生真面目に守る方ですっ!
 

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瑠璃
さて本題に戻りまして、「自分のモラルから答えを見つける」いうの面白いですね、核心をついている気がします。自分が信じている範囲内であれば司祭も神のような存在であるし、またその範囲内におさまるのは心地がよく安心になる。
突き詰めていくと、何を信じるのか?ということになるのかなと思いました。
さっきの定時退社の例でいくと、上司を敬うべきだ、集団の和を乱すべきではない、そういうのを信じている人にすれば、上司より先に帰らないというのが、秩序であり安心となる。でも、私のように(?)、余計な経費や時間はかけずに効率的に仕事はするべき、私は私、というのを信じている人からすれば、ただの無駄とか無意味になり、司祭の逆位置のような状態になる。
 
司祭の逆位置は、そんな常識破っちゃえと読むときもあるし、モラル違反を咎めるという両側面があるので、相談の内容と他のカードをよく見ることがキーになりますね。
 
瑠璃
そうですね、常識を破り、新しい革新的な風をもたらすのが「よし」の時もあれば、それがルール違反となり罰則や非難の対象ともなりえる。
ただ、何が「よし」で何が「ダメ」かという基準って、人それぞれ多種多様なので、同じ考えとか価値観同士であればいいけど、そうでなければ価値観の相違による新たな問題も起きてしまう。
例えばどこからが浮気になるかと聞かれ、気持ちを持った時点でアウトだ!という人もいれば浮気容認という人もいたり、同じ国で大体同じ教育を受けていても、個々人に考えは異なってきますものね。それでも最大公約数のところで今のルールや常識や暗黙の了解があり、その範囲におさまることで私たちはなんとか秩序や安心を得ているのかなー。
 
ダメな基準が曖昧だったら、根拠になりませんもんね。私が嫌だからやめて!という根拠なき感情的な論争になってしまいます。
そうならないためにも瑠璃さんのいう最大公約数的モラルとして法律や法典があるのかもしれません。拡大して解釈して行くと殆どのモラル違反といわれるものは法律違反ですもんね。皆が共有する常識があるとやっぱり安心します。司祭がその範囲で道を解く事によって常識が通用する社会になって行くのかな。しかし人間の社会はまだまだ発展途上、中には形骸化したルール、古びた常識もあるでしょう。そんな司祭逆位置は切って捨て、更なる進化を遂げたいものですー。

皇帝

 

皇帝とは

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皇帝は大アルカナ4番目のカード。4は春夏秋冬や東西南北、万物は4つの元素からなるという四元素など地上の秩序を象徴する数です。
また4点を結ぶと住居や机など私たちの生活に溶け込んでいる四角形ができる様に、4には安定や安全というイメージが浮かびます。この安定というイメージは視点を変えると変化に乏しく、マンネリという風にも捉えられますね。
 
皇帝は甲冑とともに闘志あふれる赤い衣装を身につけ、切り立つ険しい山々を背に牡山羊をモチーフにした玉座に座しています。
前回の女帝とは対照的な雰囲気です。
女帝が産み出し育む受動的な生産だとしたら皇帝は人間界における地位や名誉、物質的実りを求めて自ら行動し、前進する能動的生産性を示すカードと言えるでしょう。
 この険しい山々は彼の歩んできた、もしくはこれからの道の厳しさ、苦難を感じさせます。
ですが闘志あふれる赤い衣と厳しくも凛然とした表情はそんな苦難にも怯むことなく向かっていく強い意志を表している様です。
目標達成のために時には手段も選ばず、残酷に映る行いもあるかもしれませんが、のちの安定と目標達成のためにはそれも必要なことなのでしょう。
 
正位置だと問題に対し行動力や情熱が大きく影響する事を示します。
また理想に燃えそれに対して前進する様な活気に溢れる状態も指します。目標に向かい強いリーダーシップを発揮する時でしょう。
 
逆位置になるとこの旺盛なリーダーシップが裏目に出てワンマンとなったり、自分本位の考えによって周囲から孤立したり、実力不足により事態を掌握出来ないという様な事も考えられます。また意欲が湧かなかったり、勇気なく無気力で無責任な状態を指す場合や、主導権をなくし、人に振り回されてしまう状況を指すこともあるでしょう。
 
単純に父親や目上の人など権威のある人物を指すケースもあるので、このカードが出現すると当てはまる人物がいないか、問題と照らし合わせたり、前後のカードの並びと合わせて検討してみてください。
 

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正位置キーワード

・成功

 ・達成

・行動力

・リーダーシップを発揮する

・実力がある

・目標に向かって前進する

・獲得意欲

・建設的な行動

・男性的な力

・地位の向上

逆位置キーワード

・ワンマン 

・実力や行動力不足

・自分本位

・強引 

・地位の失墜

 

 

シチュエーション別解釈

現在の状況/皇帝正位置
  • 事態をコントロールできている
  • 行動力を持って前進できている
  • 実力が評価されている
  • 周囲から信頼を得ている状況
  • 努力が実っている時
  • 安定している状況
現在の状況/皇帝逆位置
  • 事態を掌握できていない
  • ワンマンすぎて信頼を失っている
  • 実力が伴っていない状態
  • 不安定な状況
  • 行動力が足りていない
  • 周囲の意見を無視した独りよがりになっている
人の気持ち/皇帝正位置
  • 自信にあふれている
  • 闘争心がある
  • 必ず勝ち取るという強い意志がある
  • 責任感ある行動をしている
  • 仕事に情熱を傾けている
  • 自分が先導したりリードしていきたい
人の気持ち/皇帝逆位置
  • 自信を失っている
  • ステータスに固執しすぎている
  • 我儘な自分の気持ちを押し通そうとしている
  • 勇気が出ない
  • 重い責任や役割を負いたくない
結果/皇帝正位置
  • 地位や名誉を得る
  • 自信を持つ
  • 信頼関係を築ける
  • 人をまとめたり監督するような立場に立つ
  • 自分の意志でコントロールできるようになる
結果/皇帝逆位置
  • 地位の転落
  • 強引さで人間関係でトラブルを抱える
  • 努力が中途半端となり徒労に終わる
  • 自信を失う
  • 責任を負うことから逃げる
  • 仲間からの信頼を失う
アドバイス/皇帝正位置
  • 自分を奮い立たせて
  • 堂々と自信を持って
  • 目標だけを見つめて努力を忘れない
  • エネルギッシュに行動を起こして
  • 意思決定するのはあなた自身
  • リーダーシップを発揮して
アドバイス/皇帝正位置
  • 自分だけではなく周囲の状況もよくみて
  • 勇気を持って行動に移して
  • 地位にこだわらないで
  • 果たすべき責任から逃げないで
  • ワンマン的に進めるよりも協調性が必要

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瑠璃と琥珀皇帝について語る

 
皇帝!THE☆男性ホルモンマン!
皇帝の面白いところは、恵みの恩恵を存分に受け産み育てる天界の女神の様な女帝に対して、厳しい環境の中自分の獲物を定めたらそれに向かって、自らが動き強い意志で取得していくというちょっと俗っぽいファイターなところですね。
現実でもこういう実業家やサラリーマンの方が多くいらっしゃいますしイメージしやすいかなと思います。
 
瑠璃:
いや、本当、皇帝がいる場所って、恵みとか恩恵とは無縁の過酷で厳しい環境ですよね。社会とか外の世界はそういう過酷で厳しいものだけど、そこで強く生きるまさにファイター。でも最初の説明にもありましたが、4といえば安定。そんな中でも、辛うじて?自分が安らげる自分の王国を、秩序やルールをもって保っているって感じでしょうか。
 
皇帝が安らげているかはこのカードからは分からないなぁ。玉座に座ってなお厳しい顔をしているし、彼の場合、自分の理想とする王国がイコール安住の地とは限らないのかも。
出世戦争を家族のために戦っている仕事一筋の大黒柱の安住の地が決して仕事ではない様な感じかなぁって。家族を支える、安定させる(目標)のためなら自分の苦労も厭わないみたいな。でもそんな風に目標に対しすごくストイックなのはある種の純粋さを感じますね。
 

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瑠璃:
安定を構築しようとしているのに、トップに君臨している限り気を抜くことはできず、安らぎは得難い・・・というアイロニックな感じがあります。そんなにこの皇帝のいる世界は過酷で厳しいのかな(^^;)
でも考え方を変えると、置かれた環境を受け入れ合わせる生き方をすれば、それほど苦労もないのかもしれない。
きっと皇帝は自分が思い描く理想の安住の王国を求めているからこそ、世界は戦うべき過酷で厳しいものになってしまうのかもしれない、そんなことを今ふと思いました。
 
確かにー、迎合しちゃえば楽なのに自分の理想があるからこそ厳しい環境になっちゃうんですね。とってもしっくりきました。(楽な方に逃げがちな私には耳が痛い笑)
皇帝って王国があって、従える家臣がいて…ってたくさんの人を従えているイメージなんですけど、このカードはたった一人の姿が描かれています。瑠璃さんはひとりぼっちの王様に何を思いますか??
 
瑠璃:
そうですねぇ、ひとりぼっちで描かれているので、孤独感みたいなのが漂いますね。
王であるゆえの孤独、例えば一番上だから自分しか頼れないとか、最終決定するのは自分でその決断の責任はすべて自分が背負わなければいけないとか。時には彼の国の住人を守るために、非道さや冷酷さも必要かも。
そうやって何人もの人の生活や命を一人きりで抱えているのだなーと思うと、そりゃこんな険しい感じにもなるよなーと思えてきました。
 
瑠璃:
王様は王だから一番偉いし、一番権限があるし、一番好き勝手やっていい感じもしますが、その度が過ぎると、誰もついてこなくなる。そうなると、もう王というのは名だけで、逆位置に転落ですね。
王だけど主役はあくまで国の住人、そんな謙虚さや優しさ、そして責任感の強さを持っているのが、正位置の真の王の姿かなーなんて思います。
 
そうですね!逆位置になるとワンマンな姿勢や独り善がり、または未熟な行動で周囲を困らせる暴君になってしまう感じですね。そうなるともう多くの人を率いて統べる事は叶いません。まさに裸の王様と化します。
 
なるほどー、王であるが故の孤独ですね。そう思うと前述の厳しい顔にも納得です。
瑠璃さんのお話を聞いて新卒時代の「利己と利他」を思い出しました。「仕事は私欲を捨て他人の幸福を第一に考えてする事、そうすればいずれ回り回って自分にも幸福が還ってくる」という教えだったのですが、皇帝の姿はまさにその様です。
当時の私は結局自分の幸福のためで利己的じゃん!とひねくれた捉え方をしていましたが、今一度よく考えると利他とは究極の利己なのかも知れません。
皇帝に置き換えても他者(国民や家臣)の幸福、安定が自身の目標とすれば自らは厳しい立場に身を置き、試練の連続になったとしてもそれは決して自己犠牲ではなく、自分の満足に繋がり、エネルギッシュに邁進していく原動力となりそうです。
皇帝の鋭い眼光はこの人間社会を力強く生き抜く姿勢を教えてくれているみたいだなと感じます。
 
 

女帝

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女帝とは

女司祭の次は女性の王、女帝です。女司祭が神秘性や精神性の高さなど、閉ざされた内向世界を表すとしたら、女帝は万物を生み出す大自然に囲まれた、開放的でオープンな世界でしょう。

緑豊かな木々に、とめどなく湧き出る水、そして黄金に実る作物。その中心に愛と美を司るヴィーナスマークをあしらった盾とともに、自然体でゆったりと腰かける姿からは、あらゆるものを生み与える豊穣の神や大地なる母を思わせます。

また、3という数字は創造という意味を持ちます。1が始めにあり、2と出会い、そこから新しい3が生まれる。男と女から子が生まれるように、陽と陰が和合して万物を生じるように、テーゼとアンチテーゼからジンテーゼが生まれるように、3の女帝はまさに無限に愛や万物を生み出す存在なのです。

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正位置だと、力を抜いて自然体であるがままを受け入れ、またとめどなく与えよというような意味になります。余計な力みや考えはいりません。自分も含めたあらゆるもののありのままを、愛という最強のパワーで寛大に包み込むのです。また、母とも非常に縁が深いカードです。

逆位置だと、力が抜けきりあるがままを受け入れることのマイナスな面、例えば楽な方に流されていたり、優しすぎて締りや厳しさが欠けていたり、過保護すぎるというような意味になります。また、愛や寛容さが足りていないというような意味も持ちます。

 
正位置キーワード
  • 生み出す

  • 寛容

  • あるがまま

  • 自然体

  • ゆったり

  • 余裕

  • 繁栄

  • 豊かさ

 
逆位置キーワード
  • 愛が足りない

  • 愛情過多

  • 生産過剰

  • 甘え

  • ゆるすぎる

  • 惰性(怠惰)

  • 余裕がない

  • 過保護

 
 

シチュエーション別の解釈

 
現在の状況/女帝正位置
  • 余裕と自信で満ちている

  • 余計な力が入らず自然体

  • 寛容で寛大な愛を持っている

  • 何不自由のない環境

  • 心身ともにゆとりのある状況

現在の状況/女帝逆位置
  • 余裕も自信もない

  • 受け身で流され過ぎている

  • 過剰に何かを与え過ぎている

  • 自分あるいは他人への愛が足りてない

  • 無駄遣いしている

 
相手の気持ち/女帝正位置
  • 大きく深い愛で満ちている

  • 母親のように優しく見守りたい

  • あるがままの自然体でいい

  • どんなこともおおらかに受け止めたい

相手の気持ち/女帝逆位置
  • 過剰な愛が負担に感じている

  • 無理のない楽な方に流されたい

  • どこか満たされない不満足感がある

  • 依存心がある

 
結果/女帝正位置
  • 偉大な愛情を感じる

  • 余裕と自信が持てるようになる

  • あるがままの自然体を受け入れられる

  • 多くの実りを享受する

  • 有利な立場になる

結果/女帝逆位置
  • 余裕や自信を失う

  • 何でも与えすぎて甘やかしになる

  • 主体性がなく相手や環境に流される

  • 思っていた成果が得られない

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アドバイス/女帝正位置
  • もっと自信をもって堂々とどっしり構えて

  • あるがままの自然体が本来の魅力を輝かせる

  • 大きな愛と包容力でおおらかに受けとめて

アドバイス/女帝逆位置
  • 自分への自信と愛があなたを輝かせる

  • よかれと思って手を出し過ぎないように

  • 惰性や怠惰にならないよう気を引き締めて

  • 見返りは求めない

  • 自分にとって必要なものを見極めて

 
 

瑠璃と琥珀 女帝について語る

 

瑠璃

来ました、女帝さん。彼女を見ていて浮かぶ言葉は、「敵わない・・・」です。

なんというか、どんな駄目人間でも、極悪人でも、人間失格烙印者でも、「いいのよ」と受け止めてくれそうな、無限大の包容力や慈悲力に圧倒されるという感じなのです。

 

琥珀

美輪明宏さんみたい〜笑(ビジュアルに引っ張られすぎかな!?)確かに受け止めてくれそうですけど、彼女は聖女ではなく女帝、有事のためか盾を足元に置いていて、私はどちらかと言うと、なんでも受け止めるというより、自身が守るべきものを脅かすものに対しては戦う、愛の戦士や子育て中の母親という強い女性のイメージのカードです。極悪人には子供を叱る様に、ダメなことはダメなのよ。ってさらっといってくれる様な。

ただ、戦うといっても彼女の持つ盾は、槍の様に相手を傷つけるものではなく、相手の攻撃を受け流すもの。そこからも瑠璃さんのいう女帝の芯の強さや他者に対する姿勢、包容力の深さが伺えますね。

 

瑠璃

なるほど、「母は強し」の強い面ですね。聖女じゃないっていうのも同感です。確かに、このカードで思うことの一つに、女帝ってことは配偶者の存在がありそうなのだけど、彼女は彼女一人で生きているというか、自立しているというのがあります。何にも揺らがされない動じない強い女性。顔も、女性らしい柔らかい感じでなくて、凛々しい感じですしね。(それに加えて金髪とくれば美輪さんが出てくるのも無理ない笑)「肝っ玉母さん」って感じ。

母というワードが出てきましたが、このカードが出るとやっぱり真っ先に母のことを表していないかと推察するくらい、母と縁深いカードでもあると思います。

 

琥珀 :

そうそう!冒頭で瑠璃さんも触れてましたが、女司祭が女性の神秘性の示すなら女帝は女性の能力的な部分の女性性を表していますよね。太古の昔から人々は命受け止め育む雄大な自然に感謝と畏怖を込めて「母なる大地、母なる海」と例えますが、女帝はこうした女性の子供を産み慈愛の心で育てるという実機能的な部分での神秘を示していると思います。

しかし、母になるには男性の存在が必要不可欠。ゆえに清らかすぎること事なく、性的な雰囲気もあって女性の持つ華やかでのびやかな魅力を感じます。

例えるなら、そーだなぁ「崖の上のポニョ」のポニョのお母さんであるグランマンマーレの様な!伝わるかな?

実際の鑑定でも、セクシャルな関係や色と欲を示すシーンで頻出する印象です。

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瑠璃

わかるよ、私もグランマンマーレを思い浮かべてたもん笑

命を生むことと性(セックス)は切り離せないですもんね。性にかかわることって、でもなんとなく公にせずに秘めておくもの、恥ずかしいことみたいな風潮がありますが、女帝を見てると、命を生むのに必要不可欠なもの、何恥ずかしがってんのよ、動物なんだから色も欲もあって当然よ、それが自然なのよ!って感じがしてきます。

それゆえに、逆位置になると性に奔放とかいう意味合いにもなってしまう女帝さん。他には、過剰生産して飽和状態とか、与え過ぎて根腐れしちゃってるとか、そんなニュアンスが逆位置では出てきますね。

 

琥珀 :

アァー!まさに今男子中学生の様に恥ずかしがってた!ぼやっとした表現で書いたので女帝の言葉が的確に刺さる!女帝様のおっしゃる通りでございます。笑

過剰は毒になりますもんね。栄養も光もなんでも。受け身な姿勢なのでそれが裏目に出て、流されてしまって歯止めが効かなかったりと過剰な恵みに甘えて堕落してしまうんですよね。恵まれていることは幸せですがあまりに依存してしまうと本来の美しい姿を失ってしまうという事を女帝の逆位置からは感じます。

 

瑠璃

過ぎたるは及ばざるがごとし。タロットカードでいつも痛感させられることです。

恵まれていることが段々当たり前になってきて、恵まれているのに恵まれていない、そんな恵みに麻痺した状態だと、自分自身も含め世界のあらゆるものの輝きが鈍ってしまうのでしょうね。

 

 

 

女司祭

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女司祭とは

大アルカナで2を司るカードです。
ローマ数字のⅡは二つの線で天と地や男と女という二元論や、二つの対立物の均衡が保たれるといった緊張感のある安定を示す数字でもあり、この女司祭のカードにもその要素が大きく反映されています。

彼女の背景には静寂さを感じさせる青い世界の中に左右に白黒の二柱があります。
それぞれの柱に書かれているJとBの文字はそれぞれ「Jahkin」「Boas」の頭文字で、神の慈悲と神の峻厳を表す言葉です。
これは神が生死を司るという対極の側面の様に光と闇、男と女、善と悪など相反する二つの事柄が表裏一体となり世界が構築されていること、この世界に不可欠な二極の要素というものの暗示でしょう。
まさに宇宙の神秘と真理をこの札は物語っていると言えます。

そんな二極の狭間で彼女は聖人が身に付けるとされる青い衣に身を包み、凛々しい表情でこちらを見据え、少し変わった冠を被っています。
また彼女は胸に大きな十字架を下げ、手にはユダヤ人の律法書であり、旧約聖書の原典にもなっている巻物を抱えています。これらは彼女の聡明さや神聖さを表している様です。
 彼女の足元には三日月があり、後ろに掲げられたタペストリーにはザクロが大胆に描かれています。

これはどちらも女性性の象徴なのですが、女司祭はこの三日月に自らのヴェールの裾を引っ掛けて隠していたり、タペストリーには背を向けています。
その様子も相まってか彼女からは女性のセクシャルな部分は感じられず、どちらかというと女性の神秘性や女性原理から派生する精神性の高さを示している印象を受けます。
 
正位置だと、物事を冷静に捉えられているという様な意味になります。
そこに打算的な考えやずるさはありません。
潔癖な精神性と真理を見抜く第六感やインスピレーションが高まっている時でしょう。
またその高潔さからナイーヴさや内向世界への傾倒を示す場合もあります。
 
逆位置になると二つの相反する事柄のバランスが崩れてしまいます。
女司祭の持つ潔癖さが際立って、感情的で不安定になり物事を静観できない事態に陥ったり、自分の考えに固執して視野が狭くなりすぎたり、自分の考え以外を排除してしまう様な偏りを示します。
また本来の真面目さが裏目に出てしまっている事を示す場合もあります。
 

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正位置キーワード
  • 冷静 
  • 潔癖
  • 高潔
  • インスピレーション
  • 知性
  • 繊細
  • 聡明さ
  • 処女性
  • 真面目
  • 完璧主義
  • ストイックさ
逆位置キーワード
  • 感情的
  • 情緒不安
  • 内向的になる
  • 独断と偏見
  • 批判的
  • 排他的
  • 経験不足(未熟さ)
  • 世間知らず
  • 思い込みの強さ
  • 神経質
 

シチュエーション別の解釈

 
現在の状況/女司祭正位置
  • ピンと張りつめている
  • 妥協は許されない環境
  • 淡々とこなしている
  • 融通がきかない状況
  • 静かに均衡を保っている
 
現在の状況/女司祭逆位置
  • 不穏な事態の発生
  • 情緒不安定になっている
  • 冷静さの欠如
  • 思い込みが激しくなっている
  • 白黒つけられないグレーな状態
 
相手の気持ち/女司祭正位置
  • 奥手になっている
  • 真剣に真面目に考えている
  • 冷静に最良を判断できる
  • 平静で落ち着いている
 
相手の気持ち/女司祭逆位置
  • 欠点を見逃さない
  • 完璧を求めすぎて粗ばかりが目についてしまう
  • 考えすぎて動き出せていない
  • 冷静さを失い心が乱れている
  • 間違いや汚点が許せず拒絶している
  • 緊張し過ぎてストレスを感じている
 
結果/女司祭正位置
  • 物事の本質を見極められる
  • 知性を高めていける
  • 学ぶべきものとの出会い
  • 自分の本心を知る
  • ヒラメキを得る
 
結果/女司祭逆位置
  • 潔癖すぎて孤立する
  • 冷静ではない決断を下してしまう
  • ストレスを抱える
  • 平静さや落ち着きを失う
  • 経験のなさや未熟さを思い知る
 
アドバイス/女司祭正位置
  • まず落ち着いて静観する事
  • 何事にも向き合う努力をしてみる
  • 独断と偏見の一掃を心がけて
  • 自分の心の声を聞く
  • 頭で考えすぎている
  • 直感やインスピレーションを信じて
  • 白黒はっきりつけて
 
アドバイス/女司祭逆位置
  • 主観的になりすぎないで
  • 冷静さを取り戻して
  • 感情的になり過ぎないように 
  • あまり神経質になり過ぎずにグレーも許容して
  • なんでも鵜呑みにしないで本質を見極めて 
  • もう少し遊び心を持って
  • ストレスの発散を!
 

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瑠璃と琥珀 女司祭について語る

 
このカードの説明は私より瑠璃さんの方がぴったりだと思ってたんですけど、順番なので不本意ながら書かせていただきました。
瑠璃さんはお名前にもある様に冷静さを思わせる落ち着いた青を思わせる雰囲気で、その知的な様子が女司祭をいつも思わせます。
昔そんな事を言ったら「琥珀さんは私を美化しすぎている!」と突っ込まれましたが、あんまり逆位置の瑠璃さん見た事ないんですよね。
 
瑠璃
いやもう本当美化しすぎている!笑 逆位置だらけの不完全人間です。まあ、人間って不完全なものですよね♪
それを言うならば、次の女帝の説明は私よりも琥珀さんの方がぴったりだと思っていました。
私の中で琥珀さんのイメージはワンドのクイーンであり、ワンドのクイーンのさらに上をいくのが女帝という感じですが、両者ともに周りを明るくさせる魅力と快活さをもち、愛のパワーで満ちている気がします。
話がそれましたが、今回の女司祭はそんな彼女達が「陽」であれば、真逆である「陰」に属する感じですね。どこか陰りを帯び、ミステリアスで、近づきがたい、でもそれが高嶺の花のような魅力の持ち主。
静寂を愛し、知的で、クールで、おしとやか、そんなイメージ。
 
そうそう、少女漫画のおドジな主人公の親友で、器用良し!品行方正!だけどミステリアスでクラスの男子が皆、俺なんかにはなびかないだろうと想いを秘めてるって感じ!笑
 
瑠璃さんのいうクールな女司祭は淡々と自分の知性を磨いていく感じがあるのですが、それは若くて無垢だからこそかなと思うんです。
先の魔術師も若くて壁を知らないからこそ好奇心を持って前進しようとしているのですが、女司祭は前進というより、多くを知らないからこそ目の前の事に打ち込める様なニュアンスを感じるんです。
動きはあまり感じられないので、精神的な自分の世界にのめり込んでいくという感じで。困難な壁があっても私にはこれしか無いんだと没頭していく様な雰囲気です。
 
瑠璃
まさにその通りで、このカードって全く動きがなく緊張感すら漂うのですが、彼女の頭や心の中には宇宙が拡がっていて、それはもう多くの知識で満ちているだけでなく、物事の真理や答もしっている、そんなものすごい精神性の高さや神秘性みたいなものを感じます。
だからこのカードが出た時には、普段私たちが忘れたり使っていない、でも誰しも持っている、第六感や直観力といった不思議で神秘的な力、いわゆる「スピリチュアル」を呼び覚まして、そんなメッセージも浮かびます。
ただ、自分の世界にのめり込んでいくとありますが、内へ内へと、ただひたむきに、高みを目指すストイックさが、外の世界を遮断し、現実や他者や世間や社会などといったものも遮断している感じがあります。今頭に浮かんだのはあれです、「アナと雪の女王」のエルサが氷の城に立てこもっている感じ。

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良くも悪くも視野は狭まっていきそうですね。実際女性「性」にも背を向けていますし。意識的に無視しているのかな?
この視野の狭さが逆位置になると裏目に出てくる感じです。白黒付けたがって判断のつかないグレーという曖昧さが許せなくなってしまう。
そこが彼女の処女性や清潔さにも繋がるんだと思うんですけどね。
 
瑠璃
うん、完全とか完璧を求めすぎると、ついちょっとでも理想と違うかったら「うきー!」となっちゃいますよね。真面目すぎるゆえ、向上心高いゆえの弊害ですね。そして感情爆発してヒステリー・・・普段抑圧している分、爆発したときは怖いかもね笑 それこそネチネチと過去のことまであれやこれやと引っ張りだしてきそう・・・って、なんだか女司祭の悪口みたいなっちゃったけど、女司祭の逆位置ってでもこういうイメージがあるかも。 
 
笑。なんだか目に浮かびました。それはもう、重箱の隅を突くが如く、窓枠のホコリを指で掬ってため息を吐きながらネチネチ責められそうですね。
そして感情的ですが正当性もあるので反論の余地なく余計手に負えない…と敬遠されてしまいそう。彼女にも辛いとこではあります。完璧に近い自負があると思うので、同じ様に高い志通りにならない現実や相手に対しての苛立ちによる苦しみは相当なものでしょう。そしてそれは往々にして他人には理解できないものでもあります。
だからこそこのカードの逆位置が出ると曖昧も悪く無いよ、あなたにとっても周囲にとっても。と言いたくなります。
 
瑠璃
そう、白でも黒でもないグレーでいい!のです。白黒はっきり区別できないグレーなものが、現実世界にはあふれていますしね。
 
女司祭は自身のバイブルであろう法典を抱えていますよね。
でも実際は手元を見ずにこちらをじっと見つめています。そこから結局あなたはどうしたいの?答えは知性だけを元にしたものだけじゃなくて、あなたの選び取った直感で正解よ、と諭してきている様にも感じるんです。
聡明さを示すカードでもあるのに知識だけではなく直感的であれ。というのは相反したメッセージになるかもですが、彼女は相反する二極の原理が等しく釣り合う世界の中心に座する存在。
彼女はストイックに精神世界で知性を修めているからこそ、真理は既存の教えに従うのでなく自分の直感で導くしかない事を教えてくれているのかもしれません。