運命の輪

 

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運命の輪とは

タロット10番目のカードは運命の輪です。
天に浮かぶ輪が、メインに描かれています。
この円の周りには「輪」を表すラテン語ROTA、その四文字の間にそれぞれ神の名を示すヘブライ文字が配置されています。ここには神の意志が働いていおり、何人も抗えない不可侵的力を感じさせられます。
四方には羽の生えた聖獣である鷲、牛、獅子、人間が配されています。それぞれ経典を読んでいてなんだかまだ修行中のようですね。またこの四聖獣は占星学において蠍座、牡牛座、獅子座、水瓶座で表わされる生物で、この四星座は全て安定感のある不動宮に属し、それぞれが風、地、火、水と四大元素を司っています。
これら四大元素の関わりによってこの運命の輪は回転しているようです。
 
この輪を背負い上昇するように描かれているのはエジプト神話における武神であり肉親殺しの経緯から悪神とされるセト、輪の横を下を向いて這うのは恋人の項でも触れましたが、人を惑わす存在の蛇。
世界の流れはたえず相生相剋、己の意思とは関係なく4大元素の作り出す流れにより、時として蛇や悪神が力を持ち個人にとって好ましくない大きな流れに巻き込まれていくこともあるでしょう。
どんなものもこの世に生を受けた以上その人生において上昇、下降をくるくる繰り返して行きます。そんな運命の輪をただ流転するだけの存在に貶めないために剣を抱いたスフィンクスがこの輪の頂点に座しています。
このスフィンクスは輪の上で回転し上下する者たちを断ち切り、解放できる唯一の剣を持っています。この裁きの象徴である剣がふるわれる時に運命の輪に乗って回り続ける私たちを含めた全てのものの命運が分けられることになるでしょう。これは当事者には何の因果関係もなく、善人悪人分け隔てなく降りかかる、時の流れや環境によってもたらされる変化を示しているのです。
 
正位置では運命の輪が好転している状態です。上昇気流に乗って行く手を阻むものもなくとんとん拍子で進んでいく状態や好機を示します。思いがけない幸運を指すこともあります。
ただ、このカードは自分の力で切り拓いた好機というわけではなく、運命の輪の気まぐれな回転によってもたらされたものです。この好機が当事者にとって望み通りの結果になるかはまた別の話になります。
自分の意図とは関係なくやってくる流れと理解してください。
逆位置ではチャンスが巡ってこなかったり、向かい風が吹いて事態が滞る状態を指します。自分の選択や行動が運勢の流れと一致せず、何かとタイミングや機会が合わないといったことが起こるかもしれません。また、アクシデントの発生を示すこともあるでしょう。
 
正逆関わらずこのカードのポイントとして当事者に今後降りかかる出来事は、その本人起因ではなく偶発的なものであるということ、また当事者の本質的な幸不幸に関わるものではないということです。
このカードの示す現実に直面したときは一喜一憂あったとしても、重要なのはその出来事をよく見定め、その人生の振れ幅とどのように付き合っていくかという事なのではないかと思います。
 

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正位置キーワード
  • チャンス到来
  • 事態が好転する
  • 思いがけない幸運
  • 順風満帆
  • 運命を感じる必然的な流れ
  • 時運に乗る

 

逆位置キーワード
  • アクシデントの発生
  • 好ましくない出来事
  • アンラッキー
  • 停滞
  • タイミングが合わない
  • 時運を逃す
 
※正逆関係なく、時や環境による変化
 

シチュエーション別解釈

 

現在の状況/正位置
  • 良い流れがきている
  • ラッキーなことがある
  • 実力以上の力を発揮できる時
  • 運勢が味方をしている
現在の状況/逆位置
  • 不測の事態によって翻弄される
  • チャンスが巡ってこない
  • 空回りする
  • ツイていない
相手の気持ち/正位置
  • 運命を感じている
  • 不思議と気があう
  • 興味を持っている
  • 良い意味でインパクトのある印象を持っている
  • 何もかもうまくいき調子がいい
相手の気持ち/逆位置
  • タイミングが合わないと感じる
  • なんとなく違和感がある
  • 飽きている
  • 状況的に今ではない
  • 勢いがなく進展しない
  • 手応えを感じられない
結果/正位置
  • 全てが良い結果になる
  • 予想以上の成果を得る
  • 失敗と感じても最終的には成功を収めることができる
  • トントン拍子で進展していく
  • 事態が好転し思わぬ幸運に恵まれる
結果/逆位置
  • 不測の事態によって計画が狂う
  • 思い通りにならない結果
  • きっかけを失って盛り上がりに欠ける
  • タイミングやチャンスが失われる
  • 状勢や流れに翻弄される
アドバイス/正位置
  • 考える前に感じる
  • 流れに乗ってみよう
  • アンテナを張って
  • 機会やチャンスを逃さない
  • 今がその時
アドバイス/逆位置
  • ハプニングに備えて
  • 自分の意志より周囲の流れを優先させて
  • 上手くいかなくても自暴自棄にならないで
  • 運はまた巡ると切り替える
  • 今はベストタイミングではない

 

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瑠璃と琥珀、運命の輪について語る

 
今回は運命の輪です。今まで人物が描かれていたのもガラッと変わり、絵柄からだと初見は読み取りにくいカードかもしれません。
個人的にはこのカードが出ると♪う〜んめいの〜ル〜レットまわして〜という脳内BGMが流れます。
なんというか、このカードの示す事象は私たちの力ではどうすることもできない運命の流れでたまたま自分のルーレットがラッキーorアンラッキーに止まって一喜一憂あってもそれは寄せては返す波の些細な飛沫の一片にすぎないというか…。というても、ラッキーが舞い込んでくるととっても舞い上がりますけどね!!!!
 
瑠璃:
コナーン!!!笑
私は無音の中、「グォングォン…」という重低音を響かせながら、この運命の輪がグルグル回っている、ちょっと不気味なイメージを持っています。「運命」とか言われちゃったら、一個人の意志ではどうにもできない、どうにも抗えない必然的な流れとか運みたいなものを感じちゃいます。
でも、絵的には明るくてポップ(?)だし、琥珀さんがいうように、何が出るかはわからない、因果も論理も何もない、ただの気まぐれルーレットみたいなのが、この運命の輪の世界観なのかもしれませんね。
 
ここに来て、初めて大きくカードのイメージが違いましたね。でもカードの説明にもあったようにこの輪は4大元素の緻密な関わりによって回転していて、突き詰めるとそれは仰るように必然で、それを運命というならば、瑠璃さんのイメージの方がより的確と感じました。
 
瑠璃:
じゃあ両方の世界観を持ってるってことで♪
運命の輪って、↑のカード説明でもありましたが、ただただ流転し時を刻んでいるだけで、時を経ることで自然に起こる必然的な変化をもたらしているだけというのが根本にはあるのかなーと思います。
例えば、芽が出て、葉が茂り、花が咲き、実を結ぶとか、春夏秋冬とか、始まりがあれば、それが勢いよく伸びたり、逆に衰える時がある、そういう万物に共通にする必然の流れや変化みたいなものを運命の輪は司っているのかなーというふうに思います。
それでラッキー(^O^)となるか最悪(´Д`)となるかは、人間の主観とか都合によるもので、運命の輪自体は別に善でも悪でも、はたまた幸運でも不幸でもないのかも…?とかいいながら、正位置で出ると、よっしゃ幸運来たれ!ってなるけどね笑
 
運命の輪は個人に関知しないって感じかな。ただ回り続けていてそれが個人にとってどんなものかは正逆で判断するとしても運命の輪は知ったこったないんですよね。時もたらす変化や、サイクルの始まり終わり、変遷の時告げる存在なのかもしれません。
そんな運命の輪、では逆位置ではどんなイメージをお持ちですか?

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瑠璃:
逆だと、やっぱりタイミングが合わないとか、時運や運勢の流れに逆らっているって感じでしょうか。
これまでの人生を振り返っても、なんかトントン拍子で話が進んだなとか、うまい具合にお互いのタイミングがかみ合ったなみたいなこともあれば、逆に何故か邪魔が入ったり手違いがあったりで進展せずに流れたこととか、ことごとくタイミングが外れたみたいなこともあって、前者のタイミングが合って物事が予想以上のスピードで進展していくときは運勢の流れと自分の動きが一致している正位置で、その逆が逆位置って感じでしょうか。
 
わかりやすい例えですね。運命への逆行している時や流れに乗れていない状態を表している状態ですよね。突然アクシデントが発生するのではなく運命の流れに乗れていないからこそ、自分にとって突然のアクシデントが必然的に起きたと逆説的考えもできそうです。このカードが出て来た時は肩の力を抜いて、自分一人ではどうにもできない時もあると気持ちを切り替えて周囲に助けを求めたりする事をカードからアドバイスされているのかもしれませんね。
さて0番目の愚者が様々な経験をし9番目の隠者の悟りの域まで到達して、一つの区切りとするとこの10番目の運命の輪はまた新たな物語のスタート地点とも取れますね。
暗転、好転どちらに転ぶか分かりませんが、タロット物語としてもこのカードは変化の時を表していると思いますが瑠璃さんはどう感じられますか?
 
瑠璃:
そうですねぇ、タロット物語的に見ると、このカードのイメージは「ワープ」です。ゲームで例えるなら、ただのレベルアップとか次のダンジョンへの進出ではなく、裏面とか裏世界へ行くみたいな、異次元への移動。このカードを境に、以降のカードはより精神的というか、スピリチュアルというか、抽象的ゆえに普遍的な、人間の原始的な本能的な部分とか、あるいは不変の真理である自然とかを扱っていってくような気がします(とか言いながら、もはや自分でも何喋ってるのか若干わかっていない笑)
 
琥珀:ワープ!!確かにテーマの雰囲気も変わって来ます。この10番大アルカナを折り返し地点として今までとはちょっと違う世界へのワープとなりそうです♪
次回も是非おつきあい頂けると嬉しいです!
 
ご覧頂き、ありがとうございました。ご依頼もぜひお待ちしています(╹◡╹)