魔術師
魔術師とは
0の愚者の次は、1の魔術師です。
1という数字が始まりを表すように、魔術師もスタートを意味します。
それも万全を期して、自信満々に、華々しく、自らの意志でスタートを切るのです。
エネルギッシュな黄色に、赤色や白色の花々と、明るくポジティブなパワーがあふれる背景の真ん中には、真っ赤なマントを羽織り、迷いのない表情で自信に満ちた男性が描かれています。
彼の頭の上には無限、インフィニティを意味する∞マークがあり、これから成そうとしていることを実現できるだけの実力や能力が彼にはしっかり備わっているようです。
そして、彼の前には、タロットでも用いられる万物を構成するとされる4つのエレメント、ワンド(火)、カップ(水)、ソード(風)、ペンタクル(土)がすべて準備され並べられています。彼はなんてったって「魔術師」ですからね、これら4つの異なるエレメントを用いて、まるで魔法のように、全くことなる新しいものやことを盛大に創造していくのでしょう。
正位置だと、実力や準備は万全!満を持してあなた独自の何か新しいこと、ワクワクすることを始めるというような意味になります。
愚者も始まりを意味しますが、もっと「さぁ、やるぞ!」と自らスタートを切る、意志の強さや前向きなエネルギーをもった始まりです。
逆位置だと、スタートを切るにはまだ準備が整っていなかったり、実力や自信が足りないというような意味になります。
また、魔術師の逆位置はペテン師や詐欺師とも言われています。これは、新しい何かを創造するための素晴らしい能力や環境を、自分のためだけに使い陰転してしまった姿からきています。
正位置キーワード
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創造
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始める
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自信
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やる気
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挑戦
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追求
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ワクワク
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準備万端
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唯一無二
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オリジナル
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魔法
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英知
逆位置キーワード
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自信がない
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準備不足
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実力不足
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自己中心
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ペテン師
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創造性の枯渇
シチュエーション別の解釈
現在の状況/魔術師正位置
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環境や能力が十分整っている
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新たなスタートを切る
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新しいことやワクワクすることを始める
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挑戦やチャレンジの時
現在の状況/魔術師逆位置
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今はまだ環境や能力が不足している
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何かを始めるタイミングではない
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周りが見えずに自分本位になりがち
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自信を失っている
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うまくいかず空回ったりスランプ状態
相手の気持ち/魔術師正位置
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自信がある
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自分がやるぞというやる気や意欲がある
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これから始まることにワクワクしている
相手の気持ち/魔術師逆位置
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自分に自信が持てない
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準備不足や実力不足を感じ臆病になっている
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自分さえよければいいと自己中心的で不誠実な気持ち
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本音ではない偽りの付き合い
結果/魔術師正位置
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自信ややる気が得られる
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手応えが感じられる結果や成功
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新しい別のスタートや始まり
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新たな才能の開花
結果/魔術師逆位置
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自信を失う
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準備不足や実力不足を痛感する
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独りよがりで周りを振り回してしまう
アドバイス/魔術師正位置
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準備は万全!あとはあなたが始めるだけ
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あなた独自のオリジナリティーを打ち出していって
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自信をもってあなたの意志を大切に
アドバイス/魔術師逆位置
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始める前にもう一度準備ができているか確認を
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ワクワクしない本意でないことならしないで
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自己中心的になっていないか気をつけて
瑠璃と琥珀 魔術師について語る
瑠璃:
魔術師さん、このカードが出ると、何か新しい始まりやスタートを応援されているような、自信をもって始めていいのだ!と勇気や活力がもらえます。
しかも魔術師の始めようとしていることは、他の人とは違う、自分にしかできない、オリジナルなことなのです。オリジナルって別にそんな難しいことじゃなくて、十人十色、人の数だけその人のオリジナルがあるので、とにかく自分にしかできない唯一無二のことを自分がするのだ!という、まさに自分への絶対的な自信を表しているように思います。
琥珀 :
自分への絶対的な自信かー。確かにそうですね。前回の愚者も旅の始まりでスタートを意味していましたが、あちらは無計画にケ・セラ・セラ、何があってもモーマンタイーというニュアンスで、魔術師の場合は自分の計画や能力に裏打ちされた始まりなので、瑠璃さんの言う準備万端、さぁやってみな!と応援されている気になるのは分かります。
オリジナリティを出すのは大なり小なり、自分に自信がないと出来ないことですし。
瑠璃:
そう、しっかりとした計画や実現可能な能力に裏打ちはされているのですよね。
ただなんだろう、できないと思ったらできない、できると思ったらできるみたいに、自分なら成功できると信じる前向きなエネルギーが、実力を最大限発揮、あるいは実力以上を発揮することができるよう、根源で支えているというような感じもします。失敗なんて彼の辞書にはないかのごとく、できて当然というナチュラルさとともに。
琥珀 :
78枚のカードがあって、その中で4つのスートが一枚に集約されている唯一のカードですもんね。彼のポーズとも相まって、既存の世界から自らの手でここにはない「何か」を新たに創造しようとしているようで、最初の説明にもありましたがクリエイティブさと同時にやるぞ!という強い意志も感じられます。
まるで新進気鋭のアーティストって感じ!
ただまだ1の初期段階なのでどう転ぶかわかりませんが、どんな結果もこの魔術師の創造の材料になる様な気がしますね。
とにかくやる気満々カードとあだ名をつけてます。
瑠璃:
1の初期段階なのでって面白いですね。確かに、若者特有の多くを知らないからこそ壁や失敗を恐れずに強く突き進んでけるところや、未知への好奇心や期待で満ちている気がします。
うーん、自身の若かりし頃を思い出します。あの頃は本当に怖いものがなくて、だからこそ何にでも恐れずに挑戦できたし、何より井の中の蛙ゆえの自分への自信や気負いがあったかも。
琥珀:
井の中の蛙!笑 その感じすごく分かります。このカードが裏返ると井の中の蛙が強調される雰囲気ですね。蛙が大海を知らぬままに全知全能になったが如くの振る舞いをしてしまう。私も心当たりがあります…笑 またはせっかく身につけた能力を良い方向に使えていないよという警告にも受け取れます。
話が前後してしまいましたが、魔術師って不可能を可能にする存在だと思うんですけど、それが1番のカードなのも気になってました。普通に考えると魔術師ってなんでもできそうだから結末のカードっぽくも思えそうなんですが…。なんとなく魔術を使うためにたくさんの人間界での学問や知恵、目の前のスートを其々使うスキルを培って天地創造に挑んだとしても、それはあくまで人の世界の限界を見るだけで、この世の真理には到底届かないってことなのかなー。
それでもやってみないとわからないし、この前人未到の挑戦に挑む彼はカッコいいですけどね!